咬合検査機器による咬合接触面積測定の術者内信頼性に関する研究
目的: 感圧シートを用いる咬合検査機器による咬頭嵌合位における咬合接触面積測定について, 一般化可能性理論を応用し, 測定日数と繰り返し回数を考慮に入れた術者内信頼性を検討すること. 方法: 被験者は健常有歯顎者男性10名を選択した. 咬頭嵌合位における歯列全体の咬合接触面積測定はデンタルプレスケール (R) を用いた. 咬みしめ強度は中程度と最大とした.測定日2日を設け, 3回の繰り返し測定を行った. 術者内信頼性の推定には, 測定日数と繰り返し回数を相とする一般化可能性研究を行った. 次に決定研究を行い, 3つの信頼性の指標, 信頼度指数, 測定の標準誤差と探知可能な最小差を算出した. 分...
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Published in | 日本補綴歯科学会雑誌 Vol. 46; no. 3; pp. 347 - 356 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
社団法人 日本補綴歯科学会
10.06.2002
日本補綴歯科学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0389-5386 1883-177X |
DOI | 10.2186/jjps.46.347 |
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Summary: | 目的: 感圧シートを用いる咬合検査機器による咬頭嵌合位における咬合接触面積測定について, 一般化可能性理論を応用し, 測定日数と繰り返し回数を考慮に入れた術者内信頼性を検討すること. 方法: 被験者は健常有歯顎者男性10名を選択した. 咬頭嵌合位における歯列全体の咬合接触面積測定はデンタルプレスケール (R) を用いた. 咬みしめ強度は中程度と最大とした.測定日2日を設け, 3回の繰り返し測定を行った. 術者内信頼性の推定には, 測定日数と繰り返し回数を相とする一般化可能性研究を行った. 次に決定研究を行い, 3つの信頼性の指標, 信頼度指数, 測定の標準誤差と探知可能な最小差を算出した. 分析的な目標を信頼度指数0.9以上とした. 結果: 両咬みしめ強度において被験者, 測定日数と測定回数のかかわる交互作用が測定誤差に与える影響が大きかった. また信頼性の指標は, 測定1回の単独測定よりも複数日, 複数回から得られる平均値のほうが良好な信頼性を示した. 信頼度指数0.9以上の測定値を得るためには, 中程度咬みしめにおいて測定日数2日, 繰り返し回数3回による6回以上の平均値, 最大咬みしめでは, 測定日数1日, 繰り返し回数3回以上あるいは測定日数2日, 繰り返し回数2回以上の平均値が必要であった. 結論: 感圧シートを応用した咬合検査機器の咬合接触面積測定では, 術者内信頼性は測定日数と繰り返し回数を増加させることにより向上する. |
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ISSN: | 0389-5386 1883-177X |
DOI: | 10.2186/jjps.46.347 |