乳児期発症の急性骨髄性白血病の治療成績の検討 東京小児がん研究グループ (TCCSG) 13次および14次研究より
TCCSG M91-13およびM96-14研究 (1991~1998年) に登録された急性骨髄性白血病 (AML) の乳児症例について, 臨床像および予後の検討を行った.乳児例ではFAB分類上M4/M5 (58.4%) とM7 (25.0%) が約80%を占め, 1歳以上の症例の2倍以上の比率であった.染色体では11q23異常 (20.8%) の比率が高かった一方, t (8; 21) を示す例がないなど1歳以上とは異なる所見を示した.乳児例 (n=24) と非乳児例 (n=168) の5年無イベント生存率はおのおの49.4%± 20.2%対55.2%± 7.5%で差はなかった (p=0.46...
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Published in | 日本小児血液学会雑誌 Vol. 22; no. 1; pp. 14 - 20 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
特定非営利活動法人 日本小児血液・がん学会
29.02.2008
日本小児血液学会 |
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ISSN | 0913-8706 1884-4723 |
DOI | 10.11412/jjph1987.22.14 |
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Summary: | TCCSG M91-13およびM96-14研究 (1991~1998年) に登録された急性骨髄性白血病 (AML) の乳児症例について, 臨床像および予後の検討を行った.乳児例ではFAB分類上M4/M5 (58.4%) とM7 (25.0%) が約80%を占め, 1歳以上の症例の2倍以上の比率であった.染色体では11q23異常 (20.8%) の比率が高かった一方, t (8; 21) を示す例がないなど1歳以上とは異なる所見を示した.乳児例 (n=24) と非乳児例 (n=168) の5年無イベント生存率はおのおの49.4%± 20.2%対55.2%± 7.5%で差はなかった (p=0.46).乳児例では感染合併症死亡の比率が高く, 寛解導入中に観察されたイベントの60.0% (3/5), 全イベントの41.7% (5/12) を占めた.乳児AMLに対する化学療法において感染合併症対策は重要であり, とくに寛解導入中の対策が今後の課題と考えられた. |
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ISSN: | 0913-8706 1884-4723 |
DOI: | 10.11412/jjph1987.22.14 |