対向流遠心溶出法 (Counterflow Centrifugal Elutriation; CCE) による血液バフィーコートからの単球分離及び分離単球の抗腫瘍細胞毒性について

緒言 対向流遠心溶出法counterflow centrifugal elutriation(CCE)は末梢血単球(HPBM)の分離法として確立されている1)~5). この方法は他の方法に比べて, a)高純度のHPBMを多量に採取できる, b)異物面やchelating agentへの接触がなく, 又高速遠心やrubber policemanの使用による物理的損傷がない, 等の利点がある. 更に, CCE法で採取されたHPBMは機能的にintactで非活性化状態(non-activated state)にあることも報告されている5). こうした種々の利点にもかかわらず, ほとんどの報告でcyt...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 35; no. 1; pp. 10 - 15
Main Author 清水, 宏之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本輸血・細胞治療学会 10.04.1989
日本輸血学会
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ISSN0546-1448
1883-8383
DOI10.3925/jjtc1958.35.10

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Summary:緒言 対向流遠心溶出法counterflow centrifugal elutriation(CCE)は末梢血単球(HPBM)の分離法として確立されている1)~5). この方法は他の方法に比べて, a)高純度のHPBMを多量に採取できる, b)異物面やchelating agentへの接触がなく, 又高速遠心やrubber policemanの使用による物理的損傷がない, 等の利点がある. 更に, CCE法で採取されたHPBMは機能的にintactで非活性化状態(non-activated state)にあることも報告されている5). こうした種々の利点にもかかわらず, ほとんどの報告でcytapheresisで得られたsampleが分離材料に用いられているため, 本法の利用は持続型血液成分分離装置を有する施設に限定されているのが現状である. 一方, リンホカインやLPSで活性化された血液単球或はマクロファージの抗腫瘍細胞毒性が近年注目されており, 患者から持続型血液成分分離装置で採取した血液単球をex vivoで活性化し, adoptive immunotherapyとして再輸注する臨床的試みも報告されるに至っている6). しかし癌末期のcachexiaでblood accessの困難な症例や小児例では上記の方法は現実的ではない. 我々はバッグ法で得られるバフィーコートから高品質かつ大量のHPBMを簡便に採取する方法を開発したので報告する.
ISSN:0546-1448
1883-8383
DOI:10.3925/jjtc1958.35.10