反対咬合治療前後における片側性完全唇顎口蓋裂と非破裂者との歯顎顔面形態の比較 混合歯列期において
本研究の目的は,唇顎口蓋裂児の咬合異常で臨床上,最も頻度の高い前歯部反対咬合者の歯顎顔面形態の特徴を明らかにし,さらに矯正治療による被蓋改善などの変化について,非破裂児(健常者)の場合にみられるものと差異を比較検討することにある.研究資料としては,本学歯科病院矯正科に来院した,Hellman dental age IIIA-IIIBで片側性完全唇顎口蓋裂前歯部反対咬合者(UCLP群)20名,非破裂児前歯部反対咬合者(Non℃left群)83名の治療前後の側魏頭部X線規格写真を用い,水平,垂直距離ならびに,角度計測を行い,それらの矯正治療前後の変化について検討した.結果:10UCLP群では,上顎...
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Published in | 日本口蓋裂学会雑誌 Vol. 12; no. 2; pp. 199 - 209 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本口蓋裂学会
26.12.1987
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Subjects | |
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ISSN | 0386-5185 2186-5701 |
DOI | 10.11224/cleftpalate1976.12.2_199 |
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Summary: | 本研究の目的は,唇顎口蓋裂児の咬合異常で臨床上,最も頻度の高い前歯部反対咬合者の歯顎顔面形態の特徴を明らかにし,さらに矯正治療による被蓋改善などの変化について,非破裂児(健常者)の場合にみられるものと差異を比較検討することにある.研究資料としては,本学歯科病院矯正科に来院した,Hellman dental age IIIA-IIIBで片側性完全唇顎口蓋裂前歯部反対咬合者(UCLP群)20名,非破裂児前歯部反対咬合者(Non℃left群)83名の治療前後の側魏頭部X線規格写真を用い,水平,垂直距離ならびに,角度計測を行い,それらの矯正治療前後の変化について検討した.結果:10UCLP群では,上顎基底部の治療前後の変化はほとんど認められなかったが,一方,VRL-U 1の水平,垂直距離,歯軸には変化が認められた.被蓋改善の要因としては,上顎前歯の歯軸傾斜によると考えられる.2.下顎は,UCLP群,Non-cleft群ともにclockwise rotationを示し,かつ下顎前歯の舌側傾斜も認められた.3.軟組織の変化については,UCLP群,Non-cleft群の両者ともに治療前後でほぼ同じ様な変化があったが,鼻下点(SN)の相対的位置変化に関しては,UCLP群の変化はNon-clef t群よりも小さかった. |
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ISSN: | 0386-5185 2186-5701 |
DOI: | 10.11224/cleftpalate1976.12.2_199 |