内視鏡切除10年後にリンパ節再発が明らかになった微小胃カルチノイドの1例
症例は47歳の女性で,他院にて胃カルチノイドに対して内視鏡的粘膜切除術を施行され,病理組織学的検査結果は腫瘍径3mm,深達度SMであった.8年後の人間ドックにおける腹部エコー検査で胃小彎リンパ節腫大(12mm)を指摘され,その後の経過観察中に増大傾向がみられたため当科紹介となった.上部内視鏡検査では胃体下部小彎に内視鏡治療後瘢痕を認めるのみで,萎縮性胃炎の所見は認められなかった.血清ガストリン値は正常範囲内であった.腹腔鏡下リンパ節生検を行い,胃カルチノイドのリンパ節転移と診断されたため,胃全摘,リンパ節郭清を施行した.病理学的検索では胃周囲に6個のリンパ節転移を認めた.胃カルチノイドにおいて...
Saved in:
Published in | 日本消化器外科学会雑誌 Vol. 44; no. 7; pp. 823 - 828 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本消化器外科学会
01.07.2011
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0386-9768 1348-9372 |
DOI | 10.5833/jjgs.44.823 |
Cover
Summary: | 症例は47歳の女性で,他院にて胃カルチノイドに対して内視鏡的粘膜切除術を施行され,病理組織学的検査結果は腫瘍径3mm,深達度SMであった.8年後の人間ドックにおける腹部エコー検査で胃小彎リンパ節腫大(12mm)を指摘され,その後の経過観察中に増大傾向がみられたため当科紹介となった.上部内視鏡検査では胃体下部小彎に内視鏡治療後瘢痕を認めるのみで,萎縮性胃炎の所見は認められなかった.血清ガストリン値は正常範囲内であった.腹腔鏡下リンパ節生検を行い,胃カルチノイドのリンパ節転移と診断されたため,胃全摘,リンパ節郭清を施行した.病理学的検索では胃周囲に6個のリンパ節転移を認めた.胃カルチノイドにおいては,微小病変であっても,リンパ節転移の可能性を念頭に治療するべきと考えられた. |
---|---|
ISSN: | 0386-9768 1348-9372 |
DOI: | 10.5833/jjgs.44.823 |