原発巣切除9年後に肝転移を来した十二指腸gastrointestinal stromal tumor肝転移の1切除例

症例は65歳の男性で,2000年8月,水平脚に局在する35mm大の十二指腸gastrointestinal stromal tumor(以下,GISTと略記)に対し,十二指腸部分切除術を施行した.術後補助療法は施行せずに経過観察されていた.2009年6月,CTにて肝腫瘤を指摘され,精査加療目的にて当院受診となった.無病期間が9年と長期ではあったが,十二指腸GISTの肝転移を最も疑い,腫瘍生検を施行した.免疫組織学的にc-kit陽性の紡錘形細胞の増生を認め,GISTと確定診断した.単発,かつ肝機能良好であることより手術適応と判断し肝右葉切除術を施行した.本症例は無症状で画像診断にて肝転移を指摘さ...

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 44; no. 7; pp. 842 - 847
Main Authors 大東, 弘明, 石川, 治, 矢野, 雅彦, 高橋, 秀典, 大植, 雅之, 山田, 晃正, 山本, 正之, 福田, 周一, 後藤, 邦仁, 宮代, 勲
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.07.2011
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.44.842

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Summary:症例は65歳の男性で,2000年8月,水平脚に局在する35mm大の十二指腸gastrointestinal stromal tumor(以下,GISTと略記)に対し,十二指腸部分切除術を施行した.術後補助療法は施行せずに経過観察されていた.2009年6月,CTにて肝腫瘤を指摘され,精査加療目的にて当院受診となった.無病期間が9年と長期ではあったが,十二指腸GISTの肝転移を最も疑い,腫瘍生検を施行した.免疫組織学的にc-kit陽性の紡錘形細胞の増生を認め,GISTと確定診断した.単発,かつ肝機能良好であることより手術適応と判断し肝右葉切除術を施行した.本症例は無症状で画像診断にて肝転移を指摘されており,十二指腸GISTの術後は5年経過以降も画像診断を含めた長期的経過観察が必要であると思われた.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.44.842