逆行性腸重積症を呈した空腸Peutz-Jeghers型ポリープに対し腹腔鏡下手術を施行した1例

症例は19歳の男性で,嘔気,嘔吐,脱水を認め精査加療目的に当科入院となった.腹部CTにて上腹部に小腸壁のターゲット状肥厚を認め,小腸造影検査にて十二指腸の第3部に蟹のつめ所見を認めた.腸重積症の診断にて腹腔鏡下手術を施行した.Treitz靭帯近傍に空腸の逆行性腸重積を認めた.腹腔鏡下に腸重積を整復すると3cm大の腫瘍を認めた.腹腔鏡下に小腸部分切除および吻合を施行した.病理組織学的検査はpeutz-jeghers(以下,P-Jと略記)型ポリープであった.単発のP-J型ポリープはまれである.本症例には,粘膜,皮膚の色素沈着および遺伝性疾患を疑うような家族歴もなく不完全型P-J症候群と考えられた....

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Published in日本消化器外科学会雑誌 Vol. 44; no. 3; pp. 304 - 310
Main Authors 大内, 昌和, 吉川, 征一郎, 福永, 正氣, 伊藤, 嘉智, 勝野, 剛太郎, 津村, 秀憲, 飯田, 義人, 菅野, 雅彦, 永仮, 邦彦, 李, 慶文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本消化器外科学会 01.03.2011
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ISSN0386-9768
1348-9372
DOI10.5833/jjgs.44.304

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Summary:症例は19歳の男性で,嘔気,嘔吐,脱水を認め精査加療目的に当科入院となった.腹部CTにて上腹部に小腸壁のターゲット状肥厚を認め,小腸造影検査にて十二指腸の第3部に蟹のつめ所見を認めた.腸重積症の診断にて腹腔鏡下手術を施行した.Treitz靭帯近傍に空腸の逆行性腸重積を認めた.腹腔鏡下に腸重積を整復すると3cm大の腫瘍を認めた.腹腔鏡下に小腸部分切除および吻合を施行した.病理組織学的検査はpeutz-jeghers(以下,P-Jと略記)型ポリープであった.単発のP-J型ポリープはまれである.本症例には,粘膜,皮膚の色素沈着および遺伝性疾患を疑うような家族歴もなく不完全型P-J症候群と考えられた.まれな逆行性腸重積を呈したP-J型ポリープに対し完全腹腔鏡下手術を施行した1例を経験したので報告する.
ISSN:0386-9768
1348-9372
DOI:10.5833/jjgs.44.304