Mean power frequencyを用いた口蓋帆挙筋疲労の評価 鼻咽腔閉鎖不全症例について

筋電図信号を周波数分析することにより得られるMean power frequency(MPF)を用いて,口蓋帆挙筋の疲労を評価できるかを検討するために,口蓋裂術後の鼻咽腔閉鎖不全症例6例を対象に,最強blowingを行わせ,blowing時の口腔内圧が安定した10秒間の口蓋帆挙筋筋電図を採取し,blowingの経過時間にともなうMPFの変化を検討した.その結果,MPFは,blowingの経過時間にともない,全例で低下する傾向が伺われた.MPFの低下の程度をみるために,経過時間に対するMPFの回帰直線を求め,傾きの有意性を検定した結果,全ての症例で有意に負の値が示された.この結果は,これまでの四...

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Published in日本口蓋裂学会雑誌 Vol. 26; no. 3; pp. 333 - 338
Main Authors 野原, 幹司, 和田, 健, 舘村, 卓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口蓋裂学会 30.10.2001
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ISSN0386-5185
2186-5701
DOI10.11224/cleftpalate1976.26.3_333

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Summary:筋電図信号を周波数分析することにより得られるMean power frequency(MPF)を用いて,口蓋帆挙筋の疲労を評価できるかを検討するために,口蓋裂術後の鼻咽腔閉鎖不全症例6例を対象に,最強blowingを行わせ,blowing時の口腔内圧が安定した10秒間の口蓋帆挙筋筋電図を採取し,blowingの経過時間にともなうMPFの変化を検討した.その結果,MPFは,blowingの経過時間にともない,全例で低下する傾向が伺われた.MPFの低下の程度をみるために,経過時間に対するMPFの回帰直線を求め,傾きの有意性を検定した結果,全ての症例で有意に負の値が示された.この結果は,これまでの四肢筋での疲労を対象とした報告と同様であり,鼻咽腔閉鎖不全症例では,MPFを用いて口蓋帆挙筋の疲労を評価することが可能であることが示唆された.
ISSN:0386-5185
2186-5701
DOI:10.11224/cleftpalate1976.26.3_333