広範囲胃切除術後2ヵ月で発症した孤立性脾膿瘍の1症例
孤立性脾膿瘍は比較的まれな疾患である. 今回, 胃切除術後2ヵ月で発症した孤立性脾膿瘍を経験した. 症例は55歳女性. 1995年6月23日出血性胃潰瘍の診断にて広範囲胃切除術, B-I再建施行し, 術後経過良好であった. 1995年8月23日弛張熱と左悸肋部痛を主訴に緊急入院した. 上腹部超音波・CT検査にて多発性肝嚢胞と孤立性脾膿瘍が認められ, 抗生剤の全身投与, 上腹部血管造影検査による脾動脈からの選択的抗生剤投与を行ったが奏功せず, 1995年9月18日左開胸開腹経横隔膜ドレナージ術を施行した. 手術所見は脾臓の被膜直下に径4cm大, 乳灰濁色の有臭性の内容物が認められ, 脾膿瘍と診断...
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Published in | 医療 Vol. 52; no. 3; pp. 186 - 189 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 国立医療学会
20.03.1998
国立医療学会 |
Subjects | |
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ISSN | 0021-1699 1884-8729 |
DOI | 10.11261/iryo1946.52.186 |
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Summary: | 孤立性脾膿瘍は比較的まれな疾患である. 今回, 胃切除術後2ヵ月で発症した孤立性脾膿瘍を経験した. 症例は55歳女性. 1995年6月23日出血性胃潰瘍の診断にて広範囲胃切除術, B-I再建施行し, 術後経過良好であった. 1995年8月23日弛張熱と左悸肋部痛を主訴に緊急入院した. 上腹部超音波・CT検査にて多発性肝嚢胞と孤立性脾膿瘍が認められ, 抗生剤の全身投与, 上腹部血管造影検査による脾動脈からの選択的抗生剤投与を行ったが奏功せず, 1995年9月18日左開胸開腹経横隔膜ドレナージ術を施行した. 手術所見は脾臓の被膜直下に径4cm大, 乳灰濁色の有臭性の内容物が認められ, 脾膿瘍と診断した. 起炎菌はバクテロイデスであった. 文献的考察を加え報告する. |
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ISSN: | 0021-1699 1884-8729 |
DOI: | 10.11261/iryo1946.52.186 |