生体内吸収性骨接合システム(プレートとスクリュー)を用いた顎矯正手術後の安定性
「緒言」顎変形症に対する各種顎矯正手術の骨接合には従来金属製ミニプレートやスクリューが用いられてきた. これらを用いた骨接合は強固な固定が得られるが, 生体内での金属イオンの溶出, 持続的な機械的刺激や骨接合周囲の骨の脆弱化などの問題があり1, 2), 当科では術後6カ月から1年後に除去してきた. 近年, 生体内吸収性骨接合システムが臨床応用されるようになり, 除去の必要がなく吸収過程で炎症を伴うことも少ないことから, 顎変形症や骨折の手術に用いられている3, 4). 今回, 顎矯正手術の固定に際し生体内吸収性骨接合システムを用いた症例と金属製骨接合システムを用いた症例における, 術後の安定性...
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Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 11; no. 2; pp. 91 - 96 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本顎変形症学会
15.08.2001
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Summary: | 「緒言」顎変形症に対する各種顎矯正手術の骨接合には従来金属製ミニプレートやスクリューが用いられてきた. これらを用いた骨接合は強固な固定が得られるが, 生体内での金属イオンの溶出, 持続的な機械的刺激や骨接合周囲の骨の脆弱化などの問題があり1, 2), 当科では術後6カ月から1年後に除去してきた. 近年, 生体内吸収性骨接合システムが臨床応用されるようになり, 除去の必要がなく吸収過程で炎症を伴うことも少ないことから, 顎変形症や骨折の手術に用いられている3, 4). 今回, 顎矯正手術の固定に際し生体内吸収性骨接合システムを用いた症例と金属製骨接合システムを用いた症例における, 術後の安定性について比較検討した. 対象および方法 対象は1998年12月から2000年1月まで奈良県立医科大学附属病院口腔外科において顎矯正手術を行った顎変形症患者20名である(Table1). 男性6名, 女性14名で, 年齢は16歳から35歳で平均年齢は22. 5歳であった. 術式別では20例全てに下顎枝矢状分割術を行い, オトガイ形成術を併用したもの13例, 上顎Le Fort I型骨切り術を同時に行ったものが9例であった. このうちポリ-L-乳酸製生体内吸収性骨接合システムを用いた症例(PLLA群)は9例で, 金属製骨接合システムを用いた症例(METAL群)は11例であった. PLLA群では, 6例(男性1例, 女性5例)に下顎枝矢状分割術のみを行い, 3例(女性)に下顎枝矢状分割術と上顎Le Fort I型骨切り術を同時に行った. |
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ISSN: | 0916-7048 |
DOI: | 10.5927/jjjd1991.11.91 |