内視鏡医からみた孤立性胃静脈瘤の手術適応-手術施行例5例の経過を中心に
当科において手術を選択した孤立性胃静脈瘤 (Lg) 症例5例についてretrospectiveに検討した.基礎疾患は特発性門脈圧充進症 (IPH) 3例, 肝外門脈閉塞症 (EHO) 1例, 肝癌合併C型肝硬変 (LC) 1例であった.5例中2例は以前に内視鏡的硬化療法 (EIS) を施行した難治再発症例であった.手術選択理由は摘脾も必要と判断されたIPH症例1例, 併存疾患に対する手術が必要であったEHO, LC症例各1例, 特異な血行動態から内科的治療が困難と考えられたIPH症例1例, 難治再発性Lgへの内科的治療が困難であったIPH症例1例であった.EHOの1例は術後3年で出血再発した....
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Published in | 日本門脈圧亢進症学会雑誌 Vol. 7; no. 2; pp. 84 - 88 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本門脈圧亢進症学会
30.08.2001
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ISSN | 1344-8447 2186-6376 |
DOI | 10.11423/jsph1999.7.2_84 |
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Summary: | 当科において手術を選択した孤立性胃静脈瘤 (Lg) 症例5例についてretrospectiveに検討した.基礎疾患は特発性門脈圧充進症 (IPH) 3例, 肝外門脈閉塞症 (EHO) 1例, 肝癌合併C型肝硬変 (LC) 1例であった.5例中2例は以前に内視鏡的硬化療法 (EIS) を施行した難治再発症例であった.手術選択理由は摘脾も必要と判断されたIPH症例1例, 併存疾患に対する手術が必要であったEHO, LC症例各1例, 特異な血行動態から内科的治療が困難と考えられたIPH症例1例, 難治再発性Lgへの内科的治療が困難であったIPH症例1例であった.EHOの1例は術後3年で出血再発した.当科におけるLgに対するEISの再発率は約8%と良好であるが, Lg症例で, 1) 特異な血行動態により内科的治療が困難な症例, 2) 病態から摘脾が有効で肝機能も良好なIPH症例, 3) 肝癌など併存する疾患の手術が必要な症例, は手術適応と考えられた. |
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ISSN: | 1344-8447 2186-6376 |
DOI: | 10.11423/jsph1999.7.2_84 |