Portopulmonary hypertensionの自験例における血行動態的特徴
特発性肺高血圧を合併した肝硬変5例の血行動態を, 非合併肝硬変および慢性肝炎のそれと比較した.肝硬変の成因はアルコール2例, ヘモクロマトーシス1例, 自己免疫性肝炎1例およびC型肝炎1例であった.右心カテーテル検査を実施した肝硬変250例中の肺高血圧合併頻度は2%であった.肺動脈平均圧, 肺動脈血管抵抗および心係数の平均値はそれぞれ42.4 ± 12.1mmHg (平均値±標準偏差), 832 ± 400 dynes・sec・cm-5/m2および3.13 ± 0.66l/min/m2であった.肺高血圧非合併肝硬変41例の心係数は4.26±0.90l/min/m2と肺高血圧合併例よりも有意に高...
Saved in:
Published in | 日本門脈圧亢進症学会雑誌 Vol. 5; no. 1; pp. 67 - 72 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本門脈圧亢進症学会
15.05.1999
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 1344-8447 2186-6376 |
DOI | 10.11423/jsph1999.5.1_67 |
Cover
Loading…
Summary: | 特発性肺高血圧を合併した肝硬変5例の血行動態を, 非合併肝硬変および慢性肝炎のそれと比較した.肝硬変の成因はアルコール2例, ヘモクロマトーシス1例, 自己免疫性肝炎1例およびC型肝炎1例であった.右心カテーテル検査を実施した肝硬変250例中の肺高血圧合併頻度は2%であった.肺動脈平均圧, 肺動脈血管抵抗および心係数の平均値はそれぞれ42.4 ± 12.1mmHg (平均値±標準偏差), 832 ± 400 dynes・sec・cm-5/m2および3.13 ± 0.66l/min/m2であった.肺高血圧非合併肝硬変41例の心係数は4.26±0.90l/min/m2と肺高血圧合併例よりも有意に高かった (p<0.01).肺高血圧合併肝硬変例の総末梢血管抵抗は非合併肝硬変例よりも有意に高く, 循環血漿量は有意に少なかった (それぞれ2438±743 vs 757±228dynes・sec・cm-5/m2, p<0.01, 1.71±0.36 vs 2.07±0.29 l/min/m2, p<0.05).これらの成績から肝硬変患者にしばしばみられる全身循環亢進は肺高血圧の合併により減弱されることが示唆された. |
---|---|
ISSN: | 1344-8447 2186-6376 |
DOI: | 10.11423/jsph1999.5.1_67 |