側頭骨含気蜂巣の発育 口蓋裂滲出性中耳炎症例の検討

口蓋裂患者には中耳疾患の罹患が多いことは報告されている.我々は外来で滲出性中耳炎に罹患した口蓋裂症例を多く経験している.側頭骨含気蜂巣は乳幼児期の中耳疾患により発育が抑制され滲出性中耳炎児では一般児と比べその発育が不良であるとされている.今回我々は,口蓋裂症例の滲出性中耳炎と側頭骨含気蜂巣の発育との関係を検討した. 方法と対象:側頭骨含気蜂巣の面積をレントゲン写真(Schüller法)より矩形面積測定法にて求めた.口蓋裂症例は3歳から15歳の67例,対照として一般児4歳から15歳の38例につV・ても検討した.平均年齢は口蓋裂症例8.0歳,一般児7.3歳であった. 結果:滲出性中耳炎を認めない症...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本口蓋裂学会雑誌 Vol. 17; no. 1; pp. 52 - 56
Main Authors 三辺, 武幸, 小林, 一女, 宮崎, 洋介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本口蓋裂学会 1992
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0386-5185
2186-5701
DOI10.11224/cleftpalate1976.17.1_52

Cover

More Information
Summary:口蓋裂患者には中耳疾患の罹患が多いことは報告されている.我々は外来で滲出性中耳炎に罹患した口蓋裂症例を多く経験している.側頭骨含気蜂巣は乳幼児期の中耳疾患により発育が抑制され滲出性中耳炎児では一般児と比べその発育が不良であるとされている.今回我々は,口蓋裂症例の滲出性中耳炎と側頭骨含気蜂巣の発育との関係を検討した. 方法と対象:側頭骨含気蜂巣の面積をレントゲン写真(Schüller法)より矩形面積測定法にて求めた.口蓋裂症例は3歳から15歳の67例,対照として一般児4歳から15歳の38例につV・ても検討した.平均年齢は口蓋裂症例8.0歳,一般児7.3歳であった. 結果:滲出性中耳炎を認めない症例においては,口蓋裂の有無にかかわらず含気蜂巣の発育に差は認められなかった.しかし滲出性中耳炎のある症例においては,前者との間に有意差を認め,更に同じ滲出性中耳炎を認める一般児と口蓋裂児との問にも有意差が認められた.
ISSN:0386-5185
2186-5701
DOI:10.11224/cleftpalate1976.17.1_52