ランク付け評価法による服薬指導の効果検討(第 5 報) ランク付け評価法と分散構造分析を用いた解析

「緒言」欧米での慢性疾患での患者の服薬遵守率は43%から78%と報告され, 患者が急性疾患を患っているか慢性疾患を患っているかで異なり, 急性疾患では高く, 慢性疾患では低くなるとされている1-3). 慢性疾患患者では薬物治療開始6カ月頃に服薬遵守率は劇的に低下するとされており1,4,5), 例えばHMG-CoA(Hydroxy-Methyl-Glutaryl CoA)還元酵素阻害薬では6カ月後には半分の患者が服薬を中止しているとの報告もされている6). アメリカでは低い服薬遵守率に起因する入院は33%から69%にのぼり, そのための費用は年間およそ1000億ドルに達していると報告されている7...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in医療薬学 Vol. 35; no. 9; pp. 655 - 661
Main Authors 田中, 久美子, 新藤, 正人, 中島, 香菜子, 小野田, 裕子, 岩川, 精吾, 占部, 彌昌
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人日本医療薬学会 2009
日本医療薬学会
Online AccessGet full text
ISSN1346-342X
1882-1499
DOI10.5649/jjphcs.35.655

Cover

More Information
Summary:「緒言」欧米での慢性疾患での患者の服薬遵守率は43%から78%と報告され, 患者が急性疾患を患っているか慢性疾患を患っているかで異なり, 急性疾患では高く, 慢性疾患では低くなるとされている1-3). 慢性疾患患者では薬物治療開始6カ月頃に服薬遵守率は劇的に低下するとされており1,4,5), 例えばHMG-CoA(Hydroxy-Methyl-Glutaryl CoA)還元酵素阻害薬では6カ月後には半分の患者が服薬を中止しているとの報告もされている6). アメリカでは低い服薬遵守率に起因する入院は33%から69%にのぼり, そのための費用は年間およそ1000億ドルに達していると報告されている7-11). そして低い服薬遵守率は患者自身の疾病の進行や合併症の発症を招くことになる. このことは患者自身のQOL(Quality of life)が低下するのみならず, 医療経済的にも大きな損失となる. そのため, 患者の服薬遵守率の向上と維持を図るために医療従事者が患者指導に介入することは非常に重要である.
ISSN:1346-342X
1882-1499
DOI:10.5649/jjphcs.35.655