Ulinastatinの生体内動態(1):ラット,マウスおよびウサギにおける静脈内投与後の生体内動態

125I-ulinastatinをラット,マウスおよびウサギの静脈内に投与し,その吸収,分布および排泄について検討した. 1.1251-ulinastatinをラット,マウスおよびウサギに投与した後の血漿中,もしくは血液中総放射能濃度および血漿中高分子量画分の放射能濃度は,いずれも二相性で速やかに低下した.その血漿もしくは血液中総放射能濃度の半減期はα相で4.2~9.5分,β相で88~225分であり,血漿中高分子量画分の放射能濃度のそれはα相で5.1~8.0分,β相で32~80分であった. 2.1251-ulinastatinを雄性ラットに投与した後2.5分において,腎に高い放射能分布が認めら...

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Published in薬物動態 Vol. 5; no. 5; pp. 739 - 753
Main Authors 高橋, 靖雄, 中井, 康博, 石黒, 淳三, 江田, 兼弘, 田中, 晋助, 大澤, 伸雄, 土屋, 徳弘, 荻原, 琢男
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本薬物動態学会 1990
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ISSN0916-1139
DOI10.2133/dmpk.5.739

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Summary:125I-ulinastatinをラット,マウスおよびウサギの静脈内に投与し,その吸収,分布および排泄について検討した. 1.1251-ulinastatinをラット,マウスおよびウサギに投与した後の血漿中,もしくは血液中総放射能濃度および血漿中高分子量画分の放射能濃度は,いずれも二相性で速やかに低下した.その血漿もしくは血液中総放射能濃度の半減期はα相で4.2~9.5分,β相で88~225分であり,血漿中高分子量画分の放射能濃度のそれはα相で5.1~8.0分,β相で32~80分であった. 2.1251-ulinastatinを雄性ラットに投与した後2.5分において,腎に高い放射能分布が認められたが,いずれの組織も血漿中濃度より低値であった.これらの組織に分布した放射能は,甲状腺および腎を除いて,血漿中と同様速やかに減少した. 3.125I-ulinastatinをラット,マウスおよびウサギの静脈内に投与した後168時間までに,尿中に投与放射能の90.0~96.5%が,糞中に投与放射能の2.2~5.6%が排泄された.また,雄性ラットに投与した後24時間までに胆汁中に投与放射能の2.9%が排泄された. 4.1251-uhnastatinを雄性ラットに投与した後の血漿中放射能はゲル湧過において,投与後1および10分には分子量約67000のulinastatinに相当するピーク(67Kピーク)に認められたが,投与後120分には分子量10000以下の低分子量のピーク(LMWピーク)に存在していた.また,投与後24時間までの尿中放射能はほとんどがLMWピークに認められたが,67Kピークにも認められた. 5.125I-ulinastatinを雄性ウサギに投与した後168時間の甲状腺ホモジネート遠心上清中の放射能は高速液体クロマトグラムにおいて,分子量約670000のthyroglobulinに相当するピーク(670Kピーク)に認められた.
ISSN:0916-1139
DOI:10.2133/dmpk.5.739