ラットにおける14C-ミルリノン静脈内投与後の血漿中濃度,分布および排泄

雄性ラットに14C-ミルリノンを5mg/kg単回および反復静脈内投与したときの血漿中濃度,分布および排泄について検討した. 1.14C-ミルリノンをラットに単回静脈内投与したときの血漿中放射能濃度は2相性で低下し,最終消失相のt1/2は3.5hrであった.AUC0-∞,VdssおよびCLtotalはそれぞれ7.19μg equiv. ofmilrinone·hr/ml,873ml/kgおよび11.6ml/min/kgであった.血漿中の未変化体濃度は放射能濃度とほぼ同様の値で推移し,t1/2,AUC0-∞,VdssおよびCLtotalはそれぞれ3.2hr,7.35μg·hr/ml,727ml/k...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in薬物動態 Vol. 9; no. 1; pp. 121 - 132
Main Authors 江角, 凱夫, 二宮, 真一, 木村, 和枝, 今井, 康彦, 小林, 伸一郎, 関, 英昌, 樋口, 三朗, 高市, 松夫, 落合, 浩, 高尾, 厚志
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本薬物動態学会 25.02.1994
Online AccessGet full text
ISSN0916-1139
DOI10.2133/dmpk.9.121

Cover

More Information
Summary:雄性ラットに14C-ミルリノンを5mg/kg単回および反復静脈内投与したときの血漿中濃度,分布および排泄について検討した. 1.14C-ミルリノンをラットに単回静脈内投与したときの血漿中放射能濃度は2相性で低下し,最終消失相のt1/2は3.5hrであった.AUC0-∞,VdssおよびCLtotalはそれぞれ7.19μg equiv. ofmilrinone·hr/ml,873ml/kgおよび11.6ml/min/kgであった.血漿中の未変化体濃度は放射能濃度とほぼ同様の値で推移し,t1/2,AUC0-∞,VdssおよびCLtotalはそれぞれ3.2hr,7.35μg·hr/ml,727ml/kgおよび11.3ml/min/kgであった. 2.14C-ミルリノンを単回静脈内投与したときの放射能は各組織へ速やかに分布し,投与後15分に最高濃度を示した.投与後15分の組織内濃度は腎において血漿より約4倍高い値を示したが,他の組織ではいずれも血漿と同程度かそれ以下であった.その後,放射能は皮膚を除く各組織から速やかに消失した.14C-ミルリノンを7日間連続静脈内投与したときにはいずれの組織においても放射能の蓄積性は認められなかったが,皮膚からの消失が比較的遅かった.投与後24時間の全身オートラジオグラムにおいて放射能は被毛で認められたが,皮膚では検出されなかった.被毛では投与後72時間にも弱い放射能が検出された. 3.14C-ミルリノンを単回静脈内投与後168時間までの放射能の尿および糞中排泄率はそれぞれ79.2%および21.9%であり,投与量の101.1%が回収された.14C-ミルリノンを7日間連続静脈内投与したとき,放射能の尿および糞中への累積排泄率はそれぞれ74.9%および21.4%と単回投与時と同様であった.胆管カニューレを施したラットに14C-ミルリノンを単回静脈内投与後48時間までの尿,糞および胆汁中へ放射能がそれぞれ65.1%,10.4%および18.9%排泄され,本薬の主排泄経路は腎排泄であることが示された.
ISSN:0916-1139
DOI:10.2133/dmpk.9.121