Neticonazoleの体内動態(第2報)ラットにおける胎仔,乳汁移行性および反復投与試験

1.妊娠ラットの組織内放射能濃度から,胎仔への移行が認められたが,胎仔濃度は母体血漿より低かった.また,胎仔組織には放射能がほぼ均一に分布し,特定組織への親和性は認められなかった. 2.乳汁中放射能濃度は,投与後8時間までの血漿中放射能濃度の1.5~1.7倍を示したが,24時間には血漿と同程度の濃度になり,48時間以降は検出限界以下であった. 3.21回反復投与した際,毎回投与後24時間における血液中放射能濃度は,投与回数の増加に伴い上昇し,21回投与後には1回投与後の濃度の3.3倍を示した.21回投与後の血液中放射能濃度は単回投与群より有意に高く,消失も緩慢であった. 4.反復投与した際,2...

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Published in薬物動態 Vol. 6; no. 4; pp. 535 - 552
Main Authors 大山, 利広, 上田, 隆夫, 江角, 凱夫, 和田, 玲子, 菅井, 三郎, 小座野, 肇, 三次, 孝一, 谷田部, 尚美, 渡辺, 勇夫, 矢野, 憲一, 沼田, 洋
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本薬物動態学会 1991
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ISSN0916-1139
DOI10.2133/dmpk.6.535

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Summary:1.妊娠ラットの組織内放射能濃度から,胎仔への移行が認められたが,胎仔濃度は母体血漿より低かった.また,胎仔組織には放射能がほぼ均一に分布し,特定組織への親和性は認められなかった. 2.乳汁中放射能濃度は,投与後8時間までの血漿中放射能濃度の1.5~1.7倍を示したが,24時間には血漿と同程度の濃度になり,48時間以降は検出限界以下であった. 3.21回反復投与した際,毎回投与後24時間における血液中放射能濃度は,投与回数の増加に伴い上昇し,21回投与後には1回投与後の濃度の3.3倍を示した.21回投与後の血液中放射能濃度は単回投与群より有意に高く,消失も緩慢であった. 4.反復投与した際,21回投与後120時間までの尿中に累積投与量の64.0%,糞中に32.6%が排泄され,これらの排泄率は単回投与群で得られた結果と相違がなかった. 5.反復投与後24時間における組織内放射能濃度は,大部分の組織が21回投与までにほぼ定常状態に達したが,大動脈および皮膚には21回投与後も蓄積する傾向がみられ,肺,腎,脾,甲状腺,顎下腺および血液の濃度も緩慢ながら上昇する傾向を示した.また,21回投与後における組織内放射能濃度の消失は単回投与群より緩慢となり,特に大動脈および肺からの消失が遅延した. 6.21回投与後4時間の血漿中には未変化体が9.2%,U-2が9.2%認められ,U-1,U-3,U-5,U-6およびM3が2.0~4.5%認められた.21回投与後0~24時間の尿中にはU-2が23.4%,U-5が11.8%,U-6が10.0%認められたほか,U-1,U-3,U-4,Mu1~Mu5が0.4~5.9%認められた.酵素加水分解後にはMu1が消失し,新たにMu6が1.8%生成した.その他は酵素加水分解前と同様であった.
ISSN:0916-1139
DOI:10.2133/dmpk.6.535