民放局におけるCM・番組考査業務と広告倫理に関する研究 ニュース専門CSテレビ局の8年半の調査事例から

民間テレビ局の考査業務の理解促進となることを目指すべく,これまで一般には知られていなかったCMや番組の考査業務の社内組織フローを明らかにするとともに,業務遂行時の問題点や放送業界全体における考査の課題などについて検討する.CS局での実務経験における8年半,延べ6,200件以上にのぼるCMおよび番組審査データを詳細分析する.その上で,考査担当のバイブルとされる『民放連放送基準解説書』の条文別に過去の考査事例を検証しつつ,どのような内容のCMの審査傾向があるのかと,放送倫理の観点より問題となる部分が,どこに多く存在しているのかを探る.最終的に,これからの考査担当においては「習慣形成」並びに「社会的...

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Published in映像情報メディア学会誌 Vol. 79; no. 5; pp. 548 - 553
Main Author 鈴木 克実
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 映像情報メディア学会 2025
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ISSN1342-6907
1881-6908
DOI10.3169/itej.79.548

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Summary:民間テレビ局の考査業務の理解促進となることを目指すべく,これまで一般には知られていなかったCMや番組の考査業務の社内組織フローを明らかにするとともに,業務遂行時の問題点や放送業界全体における考査の課題などについて検討する.CS局での実務経験における8年半,延べ6,200件以上にのぼるCMおよび番組審査データを詳細分析する.その上で,考査担当のバイブルとされる『民放連放送基準解説書』の条文別に過去の考査事例を検証しつつ,どのような内容のCMの審査傾向があるのかと,放送倫理の観点より問題となる部分が,どこに多く存在しているのかを探る.最終的に,これからの考査担当においては「習慣形成」並びに「社会的妥当性」の意識を持ちつつ,最新の情報収集と継続的な広告リテラシー向上が求められることを指摘する.
ISSN:1342-6907
1881-6908
DOI:10.3169/itej.79.548