新卒看護師の職業的アイデンティティの変化 卒業前と就職後の関連についての縦断的検討
目的:看護学生と新卒看護師の職業的アイデンティティの変化と関連要因を明らかにする。方法:看護系大学4年次生60名に対し,卒業前と就職3か月後に,「職業的アイデンティティ尺度」,「精神的回復力尺度」と,職業的アイデンティティの関連要因について無記名オンライン縦断調査を実施した。結果:卒業前と就職3か月後の職業的アイデンティティの経時的変化について就職後の職業的アイデンティティは有意に低下していた。各要因間の相関分析と重回帰分析により,卒業前は,「看護師に就きたい意思の強さ」,「精神的回復力」,「看護基礎教育達成感」,就職後は「職業継続」,「職業満足度」,「精神的回復力」との因果関係が示された。結...
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Published in | 日本看護研究学会雑誌 Vol. 47; no. 4; pp. 4_751 - 4_764 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
一般社団法人 日本看護研究学会
20.10.2024
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Subjects | |
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Summary: | 目的:看護学生と新卒看護師の職業的アイデンティティの変化と関連要因を明らかにする。方法:看護系大学4年次生60名に対し,卒業前と就職3か月後に,「職業的アイデンティティ尺度」,「精神的回復力尺度」と,職業的アイデンティティの関連要因について無記名オンライン縦断調査を実施した。結果:卒業前と就職3か月後の職業的アイデンティティの経時的変化について就職後の職業的アイデンティティは有意に低下していた。各要因間の相関分析と重回帰分析により,卒業前は,「看護師に就きたい意思の強さ」,「精神的回復力」,「看護基礎教育達成感」,就職後は「職業継続」,「職業満足度」,「精神的回復力」との因果関係が示された。結論:卒業前は,「看護基礎教育達成感」を高め「看護師に就きたい意思の強さ」を持つこと,「精神的回復力」を強化しておくことが職業的アイデンティティ形成を促し,就職後の一時的な職業的アイデンティティの低下を抑制したり回復を早めたりする可能性があることが示唆された。 |
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ISSN: | 2188-3599 2189-6100 |
DOI: | 10.15065/jjsnr.20231218242 |