患者に生じている表面化していない問題を明確にする看護師の実践経験の総体 看護師と患者との相互行為場面に焦点を当てて

目的:様子が変化した患者に生じている表面化していない問題を,その時その場で明確にする看護師の実践経験を表す概念を創出し,その総体を明らかにする。方法:方法論に看護概念創出法を適用した。様子が変化した患者に生じている表面化していない問題を明確にした経験を有する看護師14名を対象に,半構造化面接によりデータを収集し,質的帰納的に分析した。結果:【普段との僅かな差異の感受による患者の状態変化の察知】【察知した状態変化を確定づける根拠の探索】【疑念を持つ問題の関連所見の査定による問題発生の予測】【推測した問題と原因の特定に向けた情報収集】【客観的指標の査定による問題と原因の特定】など,9概念を創出した...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 47; no. 4; pp. 4_789 - 4_799
Main Authors 栗原, 知己, 松田, 安弘, 服部, 美香, 山下, 暢子, 金谷, 悦子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 20.10.2024
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Summary:目的:様子が変化した患者に生じている表面化していない問題を,その時その場で明確にする看護師の実践経験を表す概念を創出し,その総体を明らかにする。方法:方法論に看護概念創出法を適用した。様子が変化した患者に生じている表面化していない問題を明確にした経験を有する看護師14名を対象に,半構造化面接によりデータを収集し,質的帰納的に分析した。結果:【普段との僅かな差異の感受による患者の状態変化の察知】【察知した状態変化を確定づける根拠の探索】【疑念を持つ問題の関連所見の査定による問題発生の予測】【推測した問題と原因の特定に向けた情報収集】【客観的指標の査定による問題と原因の特定】など,9概念を創出した。結論:分析の結果から,実践経験の総体を表す9概念を創出した。これらは問題を明確にする過程の中で,状態の変化への対応を優先しながら問題の明確化と解決を目指すなど,特徴的な実践経験を示唆した。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20240212245