子どもの見方を変えていくしなやかさ 療育教室に参加する母親と看護者との対話を通した協働的な学び

本稿では,療育教室に参加する母親が身につける子どもを理解するための考え方を,コミュニケーションという視座から提示するとともに,子どもを理解していく対話における看護者の役割を提案する。参与観察,第一著者と母親の継続的な対話によるフィールドワークを行い,子どもを理解するための考え方とその変化を記述した。母親は,子どもを理解するための相反する見方の狭間で葛藤しながら,親子としての考え方を見つけることで,子どもの見方を変えていくしなやかさを身につけていった。親子としての考え方とは,子どもと親,周囲の人々とのかかわりあいとして,素直な要求による素のままの私たちとして,子どもの見方を変え続ける過程として,...

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Published in日本看護研究学会雑誌 Vol. 41; no. 5; pp. 5_863 - 5_874
Main Authors 山本, 真実, 浅野, みどり
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本看護研究学会 20.12.2018
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ISSN2188-3599
2189-6100
DOI10.15065/jjsnr.20180428033

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Summary:本稿では,療育教室に参加する母親が身につける子どもを理解するための考え方を,コミュニケーションという視座から提示するとともに,子どもを理解していく対話における看護者の役割を提案する。参与観察,第一著者と母親の継続的な対話によるフィールドワークを行い,子どもを理解するための考え方とその変化を記述した。母親は,子どもを理解するための相反する見方の狭間で葛藤しながら,親子としての考え方を見つけることで,子どもの見方を変えていくしなやかさを身につけていった。親子としての考え方とは,子どもと親,周囲の人々とのかかわりあいとして,素直な要求による素のままの私たちとして,子どもの見方を変え続ける過程として,子どもを理解することであった。対話では看護者自身も変化の主体であり,看護者の役割は,対話において,子どもを理解する看護者自身の考え方を問い直しながら,母親とともに子どもを理解するプロセスを歩むことである。
ISSN:2188-3599
2189-6100
DOI:10.15065/jjsnr.20180428033