内視鏡支援による脳動脈瘤手術

脳動脈瘤の手術に対して内視鏡が用いられたのはけっして新しいことではない. Apuzzoらは1977年, すでに今日のものに劣らない良質の画像が得られる硬性内視鏡を用いた脳動脈瘤手術経験を報告している3). また, 1992年には岡田らがファイバースコープを使った脳動脈瘤の手術を報告している12). その後にも若干の報告はあるものの7)13)20), 内視鏡による脳動脈瘤手術が広く一般に受け入れられることはなかった. 臨床の場での実用的な使用にはきわめて不便であったためである. 一方, 手術顕微鏡の導入によって手術は安全, 容易となり, 顕微鏡下の手術手技も次第に改善して成績が飛躍的に向上したた...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 31; no. 5; pp. 319 - 325
Main Author 種子田, 護
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2003
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.31.319

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Summary:脳動脈瘤の手術に対して内視鏡が用いられたのはけっして新しいことではない. Apuzzoらは1977年, すでに今日のものに劣らない良質の画像が得られる硬性内視鏡を用いた脳動脈瘤手術経験を報告している3). また, 1992年には岡田らがファイバースコープを使った脳動脈瘤の手術を報告している12). その後にも若干の報告はあるものの7)13)20), 内視鏡による脳動脈瘤手術が広く一般に受け入れられることはなかった. 臨床の場での実用的な使用にはきわめて不便であったためである. 一方, 手術顕微鏡の導入によって手術は安全, 容易となり, 顕微鏡下の手術手技も次第に改善して成績が飛躍的に向上したため他の手段を必要としなかった事情もある. ところが, 顕微鏡下の手術手技が完成されるにつれて, その限界が明らかにされた. 深部の術野にはしばしば術前に予想が困難であったblindとなる部位があり, 安全で適切な手術ができない場合がある. この問題解決のために内視鏡の周辺機器を充実させてその利便性と安全性が確保された.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.31.319