瀬戸内海地域におけるグリーンロジスティックの実現可能性について

我が国におけるトラック中心の物流構造は、環境問題を考慮した場合、変革がもとめられるところであり、その手段としてモーダルシフト等が考えられる。瀬戸内海地域は異種輸送モードが実際近接している地理的特性を有しているためモーダルシフトを含めた変革の可能性があると考えられる。環境に配慮した物流の理論的バックボーンとして、グリーンロジスティクスの概念を援用し、この地域での実現可能性を検討するために、製造業者、物流業者、行政へのアンケート・ヒヤリング等によるグリーンロジスティクスに対する意識および物流実態調査を行なった。その結果は時期的に環境問題への関心は高いものの物流コストの削減が至上であり、ジャスト・イ...

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Published in日本物流学会誌 Vol. 2000; no. 8; pp. 171 - 180
Main Authors 高田, 典和, 武上, 正長, 風呂本, 武典, 永岩, 健一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本物流学会 31.05.2000
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ISSN1349-3345
1884-6866
DOI10.11285/logisticssociety1995.2000.171

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Summary:我が国におけるトラック中心の物流構造は、環境問題を考慮した場合、変革がもとめられるところであり、その手段としてモーダルシフト等が考えられる。瀬戸内海地域は異種輸送モードが実際近接している地理的特性を有しているためモーダルシフトを含めた変革の可能性があると考えられる。環境に配慮した物流の理論的バックボーンとして、グリーンロジスティクスの概念を援用し、この地域での実現可能性を検討するために、製造業者、物流業者、行政へのアンケート・ヒヤリング等によるグリーンロジスティクスに対する意識および物流実態調査を行なった。その結果は時期的に環境問題への関心は高いものの物流コストの削減が至上であり、ジャスト・イン・タイムに象徴される物流構造の変革はモーダルシフト等も容易でないことが裏付けられた。いずれにせよ、環境という外部不経済に対する合意と意識改革が無ければグリーンロジスティクスには、ほど遠いことがあらためて実証された。一方で環境問題そのものは認識されてきており、グリーンロジスティクスの実現可能性のためには、なんらかの政策的誘導や法的強制力が求められるであろう。
ISSN:1349-3345
1884-6866
DOI:10.11285/logisticssociety1995.2000.171