小さな脳動静脈奇形に対する治療選択 臨床判断分析による検討

ナイダスの大きさが3cm以下のいわゆる"小さな"脳動静脈奇形(cerebral arteriovenous malformation, AVM) に対するgamma knife surgery(GKS)の有効性はすでに確立されており, 一般に若年者で手術到達可能なものに対しては手術療法が, 高齢者にはGKSが選択される傾向にある17)22). しかし, AVMの存在部位や大きさ, 出血の既往の有無, angiographical architecture, 年齢や全身状態などにより主治医の経験に基づき説明され治療が選択されており, 具体的な指針はないのが現状である. 今回,...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 31; no. 2; pp. 81 - 86
Main Authors 安井, 信之, 平井, 伸治, 小野, 純一, 山浦, 晶, 小瀧, 勝, 佐伯, 直勝, 芹澤, 徹, 牛久保, 修, 藤野, 英世
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2003
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.31.81

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Summary:ナイダスの大きさが3cm以下のいわゆる"小さな"脳動静脈奇形(cerebral arteriovenous malformation, AVM) に対するgamma knife surgery(GKS)の有効性はすでに確立されており, 一般に若年者で手術到達可能なものに対しては手術療法が, 高齢者にはGKSが選択される傾向にある17)22). しかし, AVMの存在部位や大きさ, 出血の既往の有無, angiographical architecture, 年齢や全身状態などにより主治医の経験に基づき説明され治療が選択されており, 具体的な指針はないのが現状である. 今回, 保存的治療, GKS, 手術の3治療法について, 臨床判断分析を用いて期待効用値を算出し, 客観的数値を用いて出血の既往別および年齢別にそれぞれの治療法の有用度を検討する. 対象と方法 保存的治療群 千葉県循環器病センター, 横浜労災病院, 秋田県立脳血管研究センターに主にGKS目的に紹介されたAVM患者のうち, 脳血管撮影上ナイダスの大きさが3cm以下の411例を保存的治療群の対象とした.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.31.81