不眠症状とビッグ・ファイブ・パーソナリティ特性およびクロノタイプとの関連 マインドフルネスによる調整効果の検討

本研究では,ビッグ・ファイブ・パーソナリティ特性とクロノタイプから不眠症状に至るプロセスにおけるマインドフルネスの調整効果について大学生を対象に検討することを目的とした。解析対象者は大学生127 名(平均年齢19.81±1.23 歳)であった。マインドフルネスの得点に基づいて調査対象者をマインドフルネス低群(68 名)とマインドフルネス高群(59 名)に分けて多母集団同時分析を行った。解析の結果,両群ともに勤勉性とクロノタイプが有意な正の関連を示した。一方で,マインドフルネス低群ではクロノタイプと不眠症状との間に有意な負の関連を示されたが,マインドフルネス高群では有意な関連はみられなかった。こ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in睡眠と環境 Vol. 18; no. 1; pp. 45 - 52
Main Authors 松木, 太郎, 細谷, 拓海, 田中, 秀樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本睡眠環境学会 30.06.2024
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:本研究では,ビッグ・ファイブ・パーソナリティ特性とクロノタイプから不眠症状に至るプロセスにおけるマインドフルネスの調整効果について大学生を対象に検討することを目的とした。解析対象者は大学生127 名(平均年齢19.81±1.23 歳)であった。マインドフルネスの得点に基づいて調査対象者をマインドフルネス低群(68 名)とマインドフルネス高群(59 名)に分けて多母集団同時分析を行った。解析の結果,両群ともに勤勉性とクロノタイプが有意な正の関連を示した。一方で,マインドフルネス低群ではクロノタイプと不眠症状との間に有意な負の関連を示されたが,マインドフルネス高群では有意な関連はみられなかった。この結果から,マインドフルネスは本研究のプロセス・モデルにおいて調整効果を持っていることが示され,マインドフルネスが高ければ,たとえ勤勉性の低さが夜型と関連したとしても,不眠症状には至りにくいということが示唆された。
ISSN:1340-8275
2758-8890
DOI:10.60259/jsleepenvi.18.1_45