任意加算システムを用いた心電図QRS微小高周波成分の変動 心室性不整脈との関連性
心電図を加算平均しコンピューター処理を行うこと(加算平均心電図法)により心内で発生する各種微小電位を体表面から非侵襲的に検出しようという試みがなされている. 特に, 心室局所の伝導遅延に起因する心室遅延電位がリエントリー性心室頻拍の発生と密接な関係を有することが電気生理学的にも明らかになり1,2, 加算平均心電図法を用いて, 心室遅延電位を体表面から記録する試みが注目されている3-6. この心室遅延電位の記録解析法には, time-domain7, 8法, frequency-domain法9,10があり, 主にtime-domain法が用いられている. この記録法は連続する洞収縮を機械的に加...
Saved in:
Published in | Journal of Nippon Medical School Vol. 68; no. 1; pp. 29 - 36 |
---|---|
Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
2001
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 1345-4676 1347-3409 |
DOI | 10.1272/jnms.68.29 |
Cover
Summary: | 心電図を加算平均しコンピューター処理を行うこと(加算平均心電図法)により心内で発生する各種微小電位を体表面から非侵襲的に検出しようという試みがなされている. 特に, 心室局所の伝導遅延に起因する心室遅延電位がリエントリー性心室頻拍の発生と密接な関係を有することが電気生理学的にも明らかになり1,2, 加算平均心電図法を用いて, 心室遅延電位を体表面から記録する試みが注目されている3-6. この心室遅延電位の記録解析法には, time-domain7, 8法, frequency-domain法9,10があり, 主にtime-domain法が用いられている. この記録法は連続する洞収縮を機械的に加算処理するシステムのため一心拍毎の微小電位の変動が互いに打ち消され, 重要な情報を把握し損ねることも考えられる. そこで我々は条件の似た心拍を選択して加算処理を行うことができれば, より詳細な心室遅延電位の病態生理学的評価が可能になると考え, 加算する心拍を任意に選択できる新しい加算平均心電図解析システムを試作した11. 今回, このシステムを用いて心室期外収縮前後の洞収縮を任意に選択して加算処理を行い, 不整脈発生と微小電位の変動との関連性を検討した. |
---|---|
ISSN: | 1345-4676 1347-3409 |
DOI: | 10.1272/jnms.68.29 |