PICA分岐部解離性椎骨動脈瘤に対する直達手術

くも膜下出血にて発症した椎骨動脈解離性動脈瘤(VA-DA)の再出血率は30-71%3)11)17)22)ときわめて高く, その多くが24時間以内に生じることがよく知られている3)22). そのため, 治療は可及的早期に開頭あるいは血管内手術によって椎骨動脈(VA)のproximal occlusionあるいは動脈瘤trapping術が行われている. しかしVA閉塞させるこれらの治療は, その関連する血流域の虚血性合併症を生じる可能性があり, 後下小脳動脈(PICA)分岐部が動脈瘤に巻き込まれている場合は特に大きな問題となる. 本稿では当センターで最近5年間に行った出血発症のVA-DAに対する手...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 33; no. 3; pp. 147 - 154
Main Authors 田辺, 英紀, 田村, 陽史, 住岡, 真也, 池永, 透, 山田, 佳孝, 渡部, 琢治, 土居, 温, 近藤, 明悳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2005
日本脳卒中の外科学会
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Summary:くも膜下出血にて発症した椎骨動脈解離性動脈瘤(VA-DA)の再出血率は30-71%3)11)17)22)ときわめて高く, その多くが24時間以内に生じることがよく知られている3)22). そのため, 治療は可及的早期に開頭あるいは血管内手術によって椎骨動脈(VA)のproximal occlusionあるいは動脈瘤trapping術が行われている. しかしVA閉塞させるこれらの治療は, その関連する血流域の虚血性合併症を生じる可能性があり, 後下小脳動脈(PICA)分岐部が動脈瘤に巻き込まれている場合は特に大きな問題となる. 本稿では当センターで最近5年間に行った出血発症のVA-DAに対する手術経験をもとに, PICA分岐部が含まれているVA-DA治療に対する直達手術の留意点とPICA血行再建の方法, 直達手術の利点および欠点, trappingの際に問題となる穿通枝に関する検討を行った. 対象 1998年1月より2002年12月までの間, 手術を行ったVA-DAの全12例において, 可及的早期(day0-3)に直達trapping術が行われた.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.33.147