金融サービスチャネルの多様化における店舗機能空間 1990年代の金融自由化を事例として

1990年代以降,異業種参入による業界再編やインターネットの普及が加速したことで,サービス業界におけるサービスチャネルの多様化が急速に進展した。特に,バーチャルなサービスチャネルの拡充は、リアルな場を持つ「店舗」の役割を大きく変化させている。本稿の主題は,このリアルな場を持つ「店舗」の価値がどのように変化するかを考察することにある。本稿では,その価値を「顧客から求められる機能空間」として「サービス・アクセスポイント」を定義,類型化し,「それを実現するシステム」として「サービス・アクセシビリティ」を定義,類型化した。また,これらの考察を通じて,リアルな場を持つ「店舗」は業界の垣根を超えて融合し,...

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Published inデザイン学研究 Vol. 59; no. 2; pp. 2_95 - 2_100
Main Author 坂手, 勇次
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本デザイン学会 2012
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Summary:1990年代以降,異業種参入による業界再編やインターネットの普及が加速したことで,サービス業界におけるサービスチャネルの多様化が急速に進展した。特に,バーチャルなサービスチャネルの拡充は、リアルな場を持つ「店舗」の役割を大きく変化させている。本稿の主題は,このリアルな場を持つ「店舗」の価値がどのように変化するかを考察することにある。本稿では,その価値を「顧客から求められる機能空間」として「サービス・アクセスポイント」を定義,類型化し,「それを実現するシステム」として「サービス・アクセシビリティ」を定義,類型化した。また,これらの考察を通じて,リアルな場を持つ「店舗」は業界の垣根を超えて融合し,顧客に最適な機能空間に再編されるという仮説を導出した。本稿では,金融自由化や業界再編など,市場環境の変化が顕著な金融業界の店舗を事例に店舗モデルを構想するとともに,その具体的な店舗機能空間をデザインした。
ISSN:0910-8173
2186-5221
DOI:10.11247/jssdj.59.2_95