腰部脊柱管狭窄症の保存療法の適応および限界

当科で入院加療した腰部脊柱管狭窄症患者に対して保存療法を行い,保存療法で軽快したものと,手術療法を必要としたものを検討し,両者の臨床的特徴から,保存療法の適応および限界,すなわち手術となった病態を主に症状の面から調べた.結果として神経根型でシビレを伴わない下肢痛は保存療法で60%が軽快した.一方シビレを伴う下肢痛は根型,馬尾型とも保存的治療に抵抗する傾向があった.手術群のJOAスコアⅠは,変性すべりでAの腰痛は1.5,Bの下肢症状は0.9,Cの歩行は0.8であった.変性狭窄はAの腰痛は1.6,Bの下肢症状は0.9,Cの歩行は0.7であり,腰痛に比べ下肢症状・歩行がともに1点以下であった....

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Published in日本腰痛学会雑誌 Vol. 9; no. 1; pp. 52 - 57
Main Authors 磯部, 真一郎, 中村, 滋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛学会 2003
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ISSN1345-9074
1882-1863
DOI10.3753/yotsu.9.52

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Summary:当科で入院加療した腰部脊柱管狭窄症患者に対して保存療法を行い,保存療法で軽快したものと,手術療法を必要としたものを検討し,両者の臨床的特徴から,保存療法の適応および限界,すなわち手術となった病態を主に症状の面から調べた.結果として神経根型でシビレを伴わない下肢痛は保存療法で60%が軽快した.一方シビレを伴う下肢痛は根型,馬尾型とも保存的治療に抵抗する傾向があった.手術群のJOAスコアⅠは,変性すべりでAの腰痛は1.5,Bの下肢症状は0.9,Cの歩行は0.8であった.変性狭窄はAの腰痛は1.6,Bの下肢症状は0.9,Cの歩行は0.7であり,腰痛に比べ下肢症状・歩行がともに1点以下であった.
ISSN:1345-9074
1882-1863
DOI:10.3753/yotsu.9.52