食道アカラシア診療の新展開

食道アカラシアは食道蠕動運動の障害により通過障害を来す疾患である.現在でもその原因は不明であるが,診断,治療は発展してきている.診断においては,High-resolution manometry(HRM)と食道運動障害を体系的にまとめたシカゴ分類が提唱され,食道運動障害の診療は大きく変化し続けている.一方,治療においては,腹腔鏡下Heller-Dor法が長らく標準術式であったが,近年,経口内視鏡的筋層切開術(Peroral endoscopic myotomy:POEM)が本邦で開発され,普及してきている.本稿では食道アカラシアの病態,診断,治療戦略について概説する....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本内科学会雑誌 Vol. 113; no. 7; pp. 1296 - 1304
Main Authors 池淵, 雄一郎, 坂口, 琢紀, 磯本, 一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.07.2024
Subjects
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:食道アカラシアは食道蠕動運動の障害により通過障害を来す疾患である.現在でもその原因は不明であるが,診断,治療は発展してきている.診断においては,High-resolution manometry(HRM)と食道運動障害を体系的にまとめたシカゴ分類が提唱され,食道運動障害の診療は大きく変化し続けている.一方,治療においては,腹腔鏡下Heller-Dor法が長らく標準術式であったが,近年,経口内視鏡的筋層切開術(Peroral endoscopic myotomy:POEM)が本邦で開発され,普及してきている.本稿では食道アカラシアの病態,診断,治療戦略について概説する.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.113.1296