新キノロン剤NY-198の胃腸管吸収に関する研究 Crossover法による制酸剤の影響ならびに胃切除患者の吸収におけるofloxacinとの比較

• Published in: CHEMOTHERAPY Vol. 36; no. Supplement2-Base; pp. 256 - 264
• Main Authors: 永武, 毅, 田淵, 純宏, 宍戸, 春美, 松本, 慶蔵
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 公益社団法人 日本化学療法学会 30.06.1988
• ISSN: 0009-3165; 1884-5894
• DOI: 10.11250/chemotherapy1953.36.Supplement2-Base_256

新規に開発された新キノロン剤NY-198について, ofloxacin (OFLX) とのcrossover法により, 健康成人志願者における乾燥水酸化アルミニウムゲルとの相互作用ならびに胃切除患者における経口投与後の吸収性を検討したので報告する。 健康成人志願者6名におけるNY-198の血中濃度は, OFLXの場合と同様に, 乾燥水酸化アルミニウムゲルの併用により, 明らかな低下が認められた。NY-198の尿中濃度および尿中排泄率は, OFLXの場合と同様に, 乾燥水酸化アルミニウムゲルの併用により, 明らかな低下が認めら起血中濃度と同様の傾向を示した。胃切除患者6名におけるOFLXの血中濃度がNY-198のそれより高く推移する傾向を呈し, 個体差はあるが, NY-198, OFLXともに, 健康成人志願者 (乾燥水酸化アルミニウムゲルの非併用時) の場合よりも, 血中濃度が高い傾向を示した。 NY-198の投与は, OFLXの場合と同様に, 制酸剤, 特にアルミニウム, マグネシウムを含む薬剤との併用をできるだけ避け, 胃切除患者に対しては慎重に投与量・投与間隔を設定すべきである。