昭和大学病院におけるMRSAの抗菌剤感受性パターンの変化 1992年10月~1994年6月

MRSA治療薬として, 1991年にvancomycinおよびarbekacinが使用開始された後の抗菌剤感受性パダーンの推移を報告する.1992年10~1994年6月に分離されたStaphylococcus aureusのうち, MRSAの分離率は平均約50%で, 1990年からほぼ同率で, 外来患者では毎月15~35%, 入院患者では毎月50~80%であった.抗菌剤感受性パターンは1993年8~9月および1994年5~6月で比較を行った.両期間中ともほとんどのβ-ラクタム剤およびofloxacinに耐性を示した.また, imipenemおよびflomoxefに対しては耐性化の進行が認められ...

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Published in昭和医学会雑誌 Vol. 55; no. 5; pp. 460 - 467
Main Authors 渡辺, 喬, 福地, 邦彦, 五味, 邦英, 高木, 教済, 高木, 康, 陳, 戈林, 和久田, 梨香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学学士会 28.10.1995
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ISSN0037-4342
2185-0976
DOI10.14930/jsma1939.55.460

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Summary:MRSA治療薬として, 1991年にvancomycinおよびarbekacinが使用開始された後の抗菌剤感受性パダーンの推移を報告する.1992年10~1994年6月に分離されたStaphylococcus aureusのうち, MRSAの分離率は平均約50%で, 1990年からほぼ同率で, 外来患者では毎月15~35%, 入院患者では毎月50~80%であった.抗菌剤感受性パターンは1993年8~9月および1994年5~6月で比較を行った.両期間中ともほとんどのβ-ラクタム剤およびofloxacinに耐性を示した.また, imipenemおよびflomoxefに対しては耐性化の進行が認められた.感受性が残った抗菌剤は, minocyclineが75%で, vancomycinでは100%に保たれていた.またarbekacinに対しては1993年8~9月にMIC4μg/ml以上が20%となり.耐性化が示唆されたが, 1994年5~6月には4μg/ml以上の株は5%に減少した.コアゲラーゼ型は, II型が1993年8~9月では82.5%に, 1994年5~6月では94%とII型への収束が認められた.エンテロトキシン型は, C型が1993年8~9月では833.3%で, 1994年5~6月では74%であった.Arbekacin耐性株におけるコアグラーゼ型はIIとVII型, エンテロトキシン型はC型に多く認められた.
ISSN:0037-4342
2185-0976
DOI:10.14930/jsma1939.55.460