ボリビア,アンデス地帯の錫タングステン鉱化作用に関連する花こう岩類の系列とタイプ

ボリビアの東アンデスに分布する中生代~新生代花こう岩類を,モード組成,化学組成,帯磁率について検討した.その結果,ラパスから北部に分布する中生代花こう岩類はチタン鉄鉱系に属する.中部および南部に分布する新生代花こう岩類の大部分はチタン鉄鉱系であるが,部分的には磁鉄鉱系のものも存在する.これらの中生代~新生代花こう岩類の大部分は,化学組成的にはI-タイプに属する. 中生代花こう岩類は一般的に新生代のものよりSiO2に富み,低いK2O/Na2O比によって特徴づけられる.しかし,両者はK2Oを除いて,SiO2含有量に対して同様の組成変化を示す.これらの両者を日本の花こう岩類の平均組成と比較すると,東...

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Published in鉱山地質 Vol. 38; no. 208; pp. 121 - 130
Main Authors 苣木, 浅彦, 草地, 功, 島田, 允尭
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 資源地質学会 31.05.1988
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Summary:ボリビアの東アンデスに分布する中生代~新生代花こう岩類を,モード組成,化学組成,帯磁率について検討した.その結果,ラパスから北部に分布する中生代花こう岩類はチタン鉄鉱系に属する.中部および南部に分布する新生代花こう岩類の大部分はチタン鉄鉱系であるが,部分的には磁鉄鉱系のものも存在する.これらの中生代~新生代花こう岩類の大部分は,化学組成的にはI-タイプに属する. 中生代花こう岩類は一般的に新生代のものよりSiO2に富み,低いK2O/Na2O比によって特徴づけられる.しかし,両者はK2Oを除いて,SiO2含有量に対して同様の組成変化を示す.これらの両者を日本の花こう岩類の平均組成と比較すると,東アンデスのものは高いK2Oを示し,低いAL2O3, MgO, CaO,全鉄を示す. ボリビアの東アンデスには多くの熱水性鉱脈鉱床が存在しているが,それらの成因は中生代~新生代の花こう岩類と密接に関係している.すなわち,中生代花こう岩類に伴って,中熱水あるいは深熱水性スズおよびタングステン鉱床が生成され,新生代の酸性マグマの活動によって,浅所高温型多金属鉱床が生成された.
ISSN:0026-5209
DOI:10.11456/shigenchishitsu1951.38.121