解剖学者 西成甫先生の偉績について

西 成甫先生は1885年1月6日に東京に生まれ、第一高等学校、東京帝国大学医学部と進学され、卒業後には解剖学の大澤岳太郎先生に師事された。1911年にはドイツのハイデルベルグ大学でM. Fübringer教授と、H. Braus教授の教室で筋学について研究され、ドイツハイデルベルグ学派のC. Gegenbaur教授の比較解剖学を我が国に移入された。西先生は固有背筋の体系化および体幹筋全般の研究を行った。さらに各器官の分化を類型的に分類する類型解剖学を提唱した。次に、Ludoviko L. Zamenhofが考案、整備した人工言語であるエスペラント語の我が国への普及に努められ、解剖学の論文や、日...

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Published in形態・機能 Vol. 23; no. 2; pp. 54 - 60
Main Authors 松川 睦, 島田 和幸, 内藤 美智子, 易 勤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published コ・メディカル形態機能学会 2025
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ISSN1347-7145
1884-6084
DOI10.11172/keitaikinou.23.54

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Summary:西 成甫先生は1885年1月6日に東京に生まれ、第一高等学校、東京帝国大学医学部と進学され、卒業後には解剖学の大澤岳太郎先生に師事された。1911年にはドイツのハイデルベルグ大学でM. Fübringer教授と、H. Braus教授の教室で筋学について研究され、ドイツハイデルベルグ学派のC. Gegenbaur教授の比較解剖学を我が国に移入された。西先生は固有背筋の体系化および体幹筋全般の研究を行った。さらに各器官の分化を類型的に分類する類型解剖学を提唱した。次に、Ludoviko L. Zamenhofが考案、整備した人工言語であるエスペラント語の我が国への普及に努められ、解剖学の論文や、日本の小説、仏典などをエスペラント語に翻訳、出版された。西先生は1978年8月17日心不全にて逝去され、死後献体されて、現在は骨格標本として東京大学医学標本館にて保存されている。
ISSN:1347-7145
1884-6084
DOI:10.11172/keitaikinou.23.54