インターネットを利用した心理実験環境の提案

インターネットを利用した心理学実験環境を構築し,心理学実験演習授業に応用した.具体的には,(1)時間的な統制と被験者の反応に応じて刺激を変化させることのできる視覚探索実験用 Javaアプレット,(2)被験者を各条件へ自動的に振り分け,適切なファイルをダウンロードさせる CGI (Common Gateway Interface)を作成した.実験演習授業において, これらを利用して視覚探索と対人魅力に関する実験を行った.その結果,前者ではポップアウトと探索非対称性, 後者では対人魅力に態度の類似性が影響するという先行研究と同様の結果を再現できた.このことは, 今回の実験環境が, 教育用としては十...

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Published in日本教育工学雑誌 Vol. 24; no. 4; pp. 217 - 226
Main Authors 横澤 一彦, 伊藤 暢章, 繁桝 博昭, 松嵜 直幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本教育工学会 20.03.2001
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ISSN0385-5236
2432-6038
DOI10.15077/jmet.24.4_217

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Summary:インターネットを利用した心理学実験環境を構築し,心理学実験演習授業に応用した.具体的には,(1)時間的な統制と被験者の反応に応じて刺激を変化させることのできる視覚探索実験用 Javaアプレット,(2)被験者を各条件へ自動的に振り分け,適切なファイルをダウンロードさせる CGI (Common Gateway Interface)を作成した.実験演習授業において, これらを利用して視覚探索と対人魅力に関する実験を行った.その結果,前者ではポップアウトと探索非対称性, 後者では対人魅力に態度の類似性が影響するという先行研究と同様の結果を再現できた.このことは, 今回の実験環境が, 教育用としては十分な精度を持っていることを示唆している.また, 利用者(学生)による評価実験を行い, 実験遂行時に実験者だけでなく被験者としての利用者も困難を感じていなかったことを確認した.これらは,インターネットを利用することにより, 実験者と被験者が離れた場所での実験やより多くの被験者が同時に参加する実験を実施できる可能性を示している.
ISSN:0385-5236
2432-6038
DOI:10.15077/jmet.24.4_217