脳動脈瘤に対する脳血管内治療の現状と将来

近年脳動脈瘤に対する血管内手術法は離脱式コイルの開発により飛躍的な進歩を遂げ, その有効性に関しては一定の評価が得られつつある5)6)11). その背景として新しいカテーテルやコイルなどの治療材料の進歩やDSAなどの画像診断装置の進歩, 治療技術の標準化などがあげられる. 本稿では脳動脈瘤に対する血管内治療の現状とトレーニングを含めた今後の展望について述べる. 最新の脳血管内治療 これまでGDCコイルの開発以降, 血管内治療は開頭手術困難例に対する補助的治療から施設によっては脳動脈瘤治療の第一選択とする施設も増え, 標準的治療として認知されている. コイル塞栓術の問題点は塞栓後の再開通の可能性...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 33; no. 2; pp. 81 - 84
Main Authors 村山, 雄一, 石橋, 敏寛, 佐口, 隆之, 入江, 是明, 荏原, 正幸, 高尾, 洋之, 阿部, 俊昭, 尾上, 尚志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2005
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.33.81

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Summary:近年脳動脈瘤に対する血管内手術法は離脱式コイルの開発により飛躍的な進歩を遂げ, その有効性に関しては一定の評価が得られつつある5)6)11). その背景として新しいカテーテルやコイルなどの治療材料の進歩やDSAなどの画像診断装置の進歩, 治療技術の標準化などがあげられる. 本稿では脳動脈瘤に対する血管内治療の現状とトレーニングを含めた今後の展望について述べる. 最新の脳血管内治療 これまでGDCコイルの開発以降, 血管内治療は開頭手術困難例に対する補助的治療から施設によっては脳動脈瘤治療の第一選択とする施設も増え, 標準的治療として認知されている. コイル塞栓術の問題点は塞栓後の再開通の可能性と術中破裂や血栓症などの合併症対策に集約される3). 再開通を防ぐため柔らかなソフトコイル, ウルトラソフトコイル, 3Dコイルの開発などさまざまな形状, 柔軟性のコイルが開発されてきた. ワイドネック動脈瘤に対し親血管にバルーンを留置しながら塞栓術を行うバルーンアシステッドテクニックも開発された1)4).
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.33.81