地域連携活動に参加した学生の省察の変化に関する一考察 平成30年度に実施した長岡造形大学大学院「地域特別プロジェクト演習」における実施者同士の振り返りから

大学による地域連携活動は、いまや自明の理となっている。とりわけ、学生が主体となった活動は、自治体や企業も注目しその成果も期待されている。一方で、活動の主体となる学生にとっては成果だけでなく、自身にとっての経験や達成感、自信、スキルなど、活動を通して何を得られたか、が重要となる。しかし、地域連携活動に関する既往研究の多くは、活動終了時に実施される単発的な振り返りやアンケートをもとにその学習効果について議論されたものが多く、長期的な視点による地域連携活動の学習効果について分析・検討されたものはみられない。 筆者自身が取り組んだ長岡造形大学大学院の「地域特別プロジェクト演習」では活動を進める時々に、...

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Published inデザイン学研究 Vol. 67; no. 2; pp. 2_49 - 2_56
Main Authors 近藤, 祐未, 板垣, 順平, 渡邉, 誠介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本デザイン学会 30.09.2020
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Summary:大学による地域連携活動は、いまや自明の理となっている。とりわけ、学生が主体となった活動は、自治体や企業も注目しその成果も期待されている。一方で、活動の主体となる学生にとっては成果だけでなく、自身にとっての経験や達成感、自信、スキルなど、活動を通して何を得られたか、が重要となる。しかし、地域連携活動に関する既往研究の多くは、活動終了時に実施される単発的な振り返りやアンケートをもとにその学習効果について議論されたものが多く、長期的な視点による地域連携活動の学習効果について分析・検討されたものはみられない。 筆者自身が取り組んだ長岡造形大学大学院の「地域特別プロジェクト演習」では活動を進める時々に、辛いやしんどいといった意見が多くあったが、活動が終了してからしばらく経ってからの何気ない会話では、その印象や捉え方に変化がみられた。 そこで本研究では、「地域特別プロジェクト演習」を研究対象として、実施者である学生の視点から活動の記憶や印象を手掛かりに、省察の変化の過程について検討し、その変化の要因を明らかにすることを目的とする。
ISSN:0910-8173
2186-5221
DOI:10.11247/jssdj.67.2_49