駐車時のドライバーの行動変容に寄与する表示内容の検証 高速道路 SA/PAにおける可変式情報板による情報提供を例に

高速道路の SA/PA に設置される情報板のデザインを事例に,利用者の多い時間帯にドライバーに行動変容を促し,駐車レーン選択の偏りによって生じる駐車困難な状況を解消する,情報伝達の要件を明らかにした。手順は,既存の情報提供の課題,運転行動モデル,リスクテイキング,ヒューマンエラーの関係を整理し,必要な表示内容を導き,導いた表示内容の効果を Web 調査および分析により検証した。その結果,ハザード知覚エラーやリスクテイキングを防止し,適切なレーン選択を促すには,リスク見積りの不確実性を解決し,ドライバーが「混雑状況の比較に基づいて選択可能」な情報が必要なこと,「空き台数のような具体情報」を表現の...

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Published inデザイン学研究 Vol. 68; no. 4; pp. 4_71 - 4_80
Main Authors 大島, 創, 滝沢, 正仁, 山本, 浩司, 田中, 伸治, 服部, 泰夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本デザイン学会 31.03.2022
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Summary:高速道路の SA/PA に設置される情報板のデザインを事例に,利用者の多い時間帯にドライバーに行動変容を促し,駐車レーン選択の偏りによって生じる駐車困難な状況を解消する,情報伝達の要件を明らかにした。手順は,既存の情報提供の課題,運転行動モデル,リスクテイキング,ヒューマンエラーの関係を整理し,必要な表示内容を導き,導いた表示内容の効果を Web 調査および分析により検証した。その結果,ハザード知覚エラーやリスクテイキングを防止し,適切なレーン選択を促すには,リスク見積りの不確実性を解決し,ドライバーが「混雑状況の比較に基づいて選択可能」な情報が必要なこと,「空き台数のような具体情報」を表現の中心に据え,これを補う「抽象化した駐車ブロック」,「濃淡で分けて進むべき方向を明示した矢印」,「乗用車で表現した現在地」で構成し,駐車場の全容が把握できるように表示内容を構成すべきことを導いた。
ISSN:0910-8173
2186-5221
DOI:10.11247/jssdj.68.4_71