地方創生に資する歴史的立体造形の3Dデータの活用 歴史的立体造形の3Dデータの取得・保存・活用に基づく地域活性化デザイン(3)

今日,わが国において地方創生は喫緊の課題であり,地域の自律・自立が求められている。一方,地域社会が有する歴史的立体造形は,当該地域のアイデンティティ確立のための重要な要素である。しかしながら,それらの維持・管理者の不在化が進行している。こうした状況が続けば,地域の造形が消失する可能性すら懸念される。 上記を受け,本稿は仏像や社寺彫刻等,地域が有する歴史的立体造形の3Dデータの活用について,地域活性化の観点から論じたものである。具体的には千葉県南房総市,館山市,鴨川市を対象とし,当該地域の歴史的立体造形の3Dデータを活用した7つの実践を報告した。また,実践から得られた知見に基づき,今日わが国で叫...

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Published inデザイン学研究 Vol. 66; no. 4; pp. 4_21 - 4_30
Main Authors 植田, 憲, 青木, 宏展, 高木, 友貴
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本デザイン学会 31.03.2020
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ISSN0910-8173
2186-5221
DOI10.11247/jssdj.66.4_21

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Summary:今日,わが国において地方創生は喫緊の課題であり,地域の自律・自立が求められている。一方,地域社会が有する歴史的立体造形は,当該地域のアイデンティティ確立のための重要な要素である。しかしながら,それらの維持・管理者の不在化が進行している。こうした状況が続けば,地域の造形が消失する可能性すら懸念される。 上記を受け,本稿は仏像や社寺彫刻等,地域が有する歴史的立体造形の3Dデータの活用について,地域活性化の観点から論じたものである。具体的には千葉県南房総市,館山市,鴨川市を対象とし,当該地域の歴史的立体造形の3Dデータを活用した7つの実践を報告した。また,実践から得られた知見に基づき,今日わが国で叫ばれる地方創生に資する歴史的立体造形の3Dデータ活用の特質として以下を抽出した。(1)多様な造形の提示を易化する,(2)歴史的立体造形への興味・関心の向上に寄与する,(3)地域色ある小規模のものづくりを支援する,(4)歴史的立体造形の「資源」としての認識を喚起する。
ISSN:0910-8173
2186-5221
DOI:10.11247/jssdj.66.4_21