英文読解方略の被指導経験と方略使用の関係 個人内相関に着目して

本研究では,英語学習方略の中でも英文読解方略に焦点を当て,英文読解方略について指導された経験(被指導経験)と方略使用の関連について,個人内相関に着目して検討した.また,被指導経験と方略使用の関連の個人差を説明する要因として,読解意欲と自己効力感に着目した.中学3年生127名を対象に質問紙調査を行い,マルチレベル分析を行った結果,指導された経験の多い方略ほど,生徒はよく使用する傾向にあることが示された.また,これらの関連には個人差があり,読解意欲の高い生徒ほど,指導された方略を使用する傾向が強いことが示された.ただし,被指導経験の効果は非常に大きいのに対し,読解意欲の効果は小さいものであった.し...

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Published in日本教育工学会論文誌 Vol. 42; no. 2; pp. 129 - 139
Main Authors 備瀬, 美香, 伊藤, 智子, 鈴木, 雅之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本教育工学会 30.10.2018
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Summary:本研究では,英語学習方略の中でも英文読解方略に焦点を当て,英文読解方略について指導された経験(被指導経験)と方略使用の関連について,個人内相関に着目して検討した.また,被指導経験と方略使用の関連の個人差を説明する要因として,読解意欲と自己効力感に着目した.中学3年生127名を対象に質問紙調査を行い,マルチレベル分析を行った結果,指導された経験の多い方略ほど,生徒はよく使用する傾向にあることが示された.また,これらの関連には個人差があり,読解意欲の高い生徒ほど,指導された方略を使用する傾向が強いことが示された.ただし,被指導経験の効果は非常に大きいのに対し,読解意欲の効果は小さいものであった.したがって,教育実践においては方略指導を行うことが重要であり,読解意欲を向上させるための取り組みも同時に行うことで,より一層の効果がみられる可能性が示唆された.
ISSN:1349-8290
2189-6453
DOI:10.15077/jjet.42093