当科におけるスギ花粉症に対するSLITの現状と評価 JRQLQを用いて

目的:当院でスギ花粉症に対して舌下免疫療法を施行した患者に対し,治療効果の検討を行った。方法:2015年6月から2019年12月までに当院でスギ花粉症に対する舌下免疫療法を開始した患者に対し,毎年の花粉シーズン終了後(6~8月)に日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票(JRQLQ)による問診を行った。結果:調査期間中のスギ花粉飛散量は,少量飛散年2,032.8個/cm2(2020年),大量飛散年12,051.9個/cm2(2018年)であり,年数により飛散量の違いは著明であった。初診時に問診した「過去3年間を振り返って一番つらかった時の症状」と,毎年の花粉シーズン終了後に問診した「今シーズンで一...

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Published in耳鼻咽喉科展望 Vol. 65; no. 5; pp. 194 - 199
Main Authors 高原, 恵理子, 金井, 憲一, 松根, 彰志, 大久保, 公裕
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 耳鼻咽喉科展望会 15.10.2022
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Summary:目的:当院でスギ花粉症に対して舌下免疫療法を施行した患者に対し,治療効果の検討を行った。方法:2015年6月から2019年12月までに当院でスギ花粉症に対する舌下免疫療法を開始した患者に対し,毎年の花粉シーズン終了後(6~8月)に日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票(JRQLQ)による問診を行った。結果:調査期間中のスギ花粉飛散量は,少量飛散年2,032.8個/cm2(2020年),大量飛散年12,051.9個/cm2(2018年)であり,年数により飛散量の違いは著明であった。初診時に問診した「過去3年間を振り返って一番つらかった時の症状」と,毎年の花粉シーズン終了後に問診した「今シーズンで一番つらかった時の症状」を比較したところ,臨床症状スコア・QOLスコアの点数はいずれにおいても治療開始1年目から有意に低下していた(p<0.05)。2年目から5年目についてもほとんどの項目において点数は有意に低下していた。結語:スギ舌下免疫療法はスギの花粉飛散量に関わらず治療開始1年目から治療効果が認められ,その後も効果が持続して認められた。
ISSN:0386-9687
1883-6429
DOI:10.11453/orltokyo.65.5_194