アレルギー性鼻炎患者の血中可溶性CD23値の変動 Ketotifen投与前後の変動
ケトチフェン(ザジテン(R))は抗アレルギー剤の一つであり,抗血小板活性化因子作用を有し,IgEのリセプターの発現を抑制することが報告されている.今回,アレルギー性鼻炎患者のIgEリセプターの動態を知る目的にて,ケトチフェン投与前後での血清中可溶性CD23の濃度を測定し,また,CD23の変化量とアレルギー性鼻炎のほかのパラメーターの変化量との相関についても検討を行つた.以下にその結果を示す. 1) ケトチフェン投与前において,アレルギー性鼻炎患者血清中の可溶性CD23の濃度は,健康成人と比較して統計学的に有意に上昇していた(p<0.001). 2) ケトチフェン投与前後の可溶性CD23の...
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Published in | 耳鼻と臨床 Vol. 40; no. 3; pp. 440 - 445 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
耳鼻と臨床会
20.05.1994
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ISSN | 0447-7227 2185-1034 |
DOI | 10.11334/jibi1954.40.3_440 |
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Summary: | ケトチフェン(ザジテン(R))は抗アレルギー剤の一つであり,抗血小板活性化因子作用を有し,IgEのリセプターの発現を抑制することが報告されている.今回,アレルギー性鼻炎患者のIgEリセプターの動態を知る目的にて,ケトチフェン投与前後での血清中可溶性CD23の濃度を測定し,また,CD23の変化量とアレルギー性鼻炎のほかのパラメーターの変化量との相関についても検討を行つた.以下にその結果を示す. 1) ケトチフェン投与前において,アレルギー性鼻炎患者血清中の可溶性CD23の濃度は,健康成人と比較して統計学的に有意に上昇していた(p<0.001). 2) ケトチフェン投与前後の可溶性CD23の変化量と血中好酸球数の変化量とは有意な負の相関を示した(p<0.05,r=-0.43). 以上の結果から,ケトチフェン投与により,CD23保有好酸球数が減少し,そのために循環血液中可溶性CD23が上昇したものと推察した. |
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ISSN: | 0447-7227 2185-1034 |
DOI: | 10.11334/jibi1954.40.3_440 |