耳鼻咽喉科領域感染症に対するTemafloxacinの臨床評価 とくに中耳炎, 外耳炎について
Temafloxacin (TMFX) の臨床的検討として, 中耳炎118例, 外耳炎24例, 耳瘻孔化膿症1例を対象に1日300~600mgを経口投与し, 以下の結果を得た. 臨床効果 (有効率) は主治医判定では中耳炎73%, 外耳炎88%, 耳瘻孔化膿症100%, また委員会判定では中耳炎66%であつた. 起炎菌の消失率はグラム陽性菌85%, グラム陰性菌67%, 全株では81%であつた. 副作用としては159例中各1例に発疹および舌のあれが, また臨床検査値異常は66例中2例にGOT, GPTの上昇が認められた. しかし, いずれも臨床上特に問題となるものではなかつた. 有用性は中耳炎...
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Published in | 耳鼻と臨床 Vol. 40; no. 2; pp. 182 - 197 |
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Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
耳鼻と臨床会
20.03.1994
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0447-7227 2185-1034 |
DOI | 10.11334/jibi1954.40.2_182 |
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Summary: | Temafloxacin (TMFX) の臨床的検討として, 中耳炎118例, 外耳炎24例, 耳瘻孔化膿症1例を対象に1日300~600mgを経口投与し, 以下の結果を得た. 臨床効果 (有効率) は主治医判定では中耳炎73%, 外耳炎88%, 耳瘻孔化膿症100%, また委員会判定では中耳炎66%であつた. 起炎菌の消失率はグラム陽性菌85%, グラム陰性菌67%, 全株では81%であつた. 副作用としては159例中各1例に発疹および舌のあれが, また臨床検査値異常は66例中2例にGOT, GPTの上昇が認められた. しかし, いずれも臨床上特に問題となるものではなかつた. 有用性は中耳炎72%, 外耳炎88%, 耳瘻孔化膿症100%の有用率であつた. また, TMFX 300mg 1回投与後の耳漏中移行性を1例において検討した. 耳漏中薬剤濃度は1.29μg/mlで良好な移行性を示した. 以上の結果から, TMFXは中耳炎, 外耳炎などの耳鼻咽喉科領域感染症に対し有用性の高い薬剤と考えられた. |
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ISSN: | 0447-7227 2185-1034 |
DOI: | 10.11334/jibi1954.40.2_182 |