スギ花粉症患者における塩酸セチリジン初期投与の有用性 (第二報) QOLに対する効果
スギ花粉症に対する塩酸セチリジンの有用性について、花粉飛散ピーク時の患者QOLを比較することにより検討した。大阪、徳島、岡山の3地区において2001年3月5日からの2週間に受診したスギ花粉症患者のQOLを国際的な健康関連QOL測定法の一つであるSF-36を用いて測定し、来院時点以前より塩酸セチリジンを服用している症例を投与群、無治療で来院した症例を非投与群として比較した。最終的な解析対象症例数は投与群で73例、非投与群で210例の合計283例であった。その結果、精神および身体機能に大きく関係しているSF-36の八つのすべてのサブスケールにおいて、投与群ではスコアは高値を示し、特にRP (日常役...
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Published in | 耳鼻と臨床 Vol. 49; no. 2; pp. 118 - 124 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
耳鼻と臨床会
20.03.2003
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0447-7227 2185-1034 |
DOI | 10.11334/jibi1954.49.2_118 |
Cover
Summary: | スギ花粉症に対する塩酸セチリジンの有用性について、花粉飛散ピーク時の患者QOLを比較することにより検討した。大阪、徳島、岡山の3地区において2001年3月5日からの2週間に受診したスギ花粉症患者のQOLを国際的な健康関連QOL測定法の一つであるSF-36を用いて測定し、来院時点以前より塩酸セチリジンを服用している症例を投与群、無治療で来院した症例を非投与群として比較した。最終的な解析対象症例数は投与群で73例、非投与群で210例の合計283例であった。その結果、精神および身体機能に大きく関係しているSF-36の八つのすべてのサブスケールにおいて、投与群ではスコアは高値を示し、特にRP (日常役割機能: 身体)、VT (活力)、RE (日常役割機能: 精神) では有意であった。また、投与群において塩酸セチリジンの投与期間別に解析したところ、投与期間が長ければ長いほどQOL改善度も高い傾向が見られた。以上より、スギ花粉症に対する塩酸セチリジンの初期投与は患者QOLを改善することを確認した。 |
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ISSN: | 0447-7227 2185-1034 |
DOI: | 10.11334/jibi1954.49.2_118 |