スギ花粉症に対するトシル酸スプラタストの初期治療の効果 218例の検討
スギ花粉症に対するTh2サイトカイン阻害薬トシル酸スプラタストの初期治療の効果を評価する目的で、スギ花粉の大量飛散年であった2000年、2001年、2002年に神奈川県内の19病院を受診したスギ花粉症患者218例を対象として検討を行った。スギ花粉飛散開始日2週間前より前に投薬を開始した長期初期治療群109例、飛散開始日2週間前以内より投薬を開始した短期初期治療群57例、飛散後治療群52例の3群について、鼻アレルギー診療ガイドラインに基づきsymptom medication score(SMS)を算出した。SMSはスギ花粉飛散後6週目まで飛散後治療群に比べて長期初期治療群と短期初期治療群で低く...
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Published in | 耳鼻と臨床 Vol. 50; no. 6; pp. 446 - 456 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
耳鼻と臨床会
20.11.2004
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0447-7227 2185-1034 |
DOI | 10.11334/jibi1954.50.6_446 |
Cover
Summary: | スギ花粉症に対するTh2サイトカイン阻害薬トシル酸スプラタストの初期治療の効果を評価する目的で、スギ花粉の大量飛散年であった2000年、2001年、2002年に神奈川県内の19病院を受診したスギ花粉症患者218例を対象として検討を行った。スギ花粉飛散開始日2週間前より前に投薬を開始した長期初期治療群109例、飛散開始日2週間前以内より投薬を開始した短期初期治療群57例、飛散後治療群52例の3群について、鼻アレルギー診療ガイドラインに基づきsymptom medication score(SMS)を算出した。SMSはスギ花粉飛散後6週目まで飛散後治療群に比べて長期初期治療群と短期初期治療群で低く、特に長期初期治療群では飛散後2週目と4週目で有意に (p<0.001) 低い値を示し、本剤の初期治療は花粉大量飛散年においても、スギ花粉症の鼻症状を抑制すると考えられた。初期治療の開始時期は花粉飛散2週間以上前からが推奨される。 |
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ISSN: | 0447-7227 2185-1034 |
DOI: | 10.11334/jibi1954.50.6_446 |