脳動脈瘤治療における補助的血管内または外科治療の有用性

「はじめに」近年, 脳動脈瘤に対する治療法は開頭クリッピング術と血管内治療とが併存しており6)16)17), 治療現場ではそれぞれの治療法の長所短所を考慮して治療選択を行うことが必要となっている. しかしながら動脈瘤の形態によってはどちらかの単一治療法では治療困難な症例が存在する. 広頸で紡錘状の動脈瘤に対しては十分な瘤内コイル塞栓術は困難であるし7)17), 解剖的に到達困難な部位の動脈瘤に対する外科的直達術は新たな神経症状を合併させる危険を伴っている3)9)10). 昨今, 開頭術と血管内治療を補助的に組み合わせることにより単一手技では治療困難な動脈瘤に対しての治療可能性が期待されている1...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 36; no. 1; pp. 7 - 11
Main Authors 鈴木, 宰, 渡辺, 正男, 井上, 憲夫, 加藤, 丈典, 福井, 一裕, 種井, 隆文, 若林, 健一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本脳卒中の外科学会 2008
日本脳卒中の外科学会
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ISSN0914-5508
1880-4683
DOI10.2335/scs.36.7

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Summary:「はじめに」近年, 脳動脈瘤に対する治療法は開頭クリッピング術と血管内治療とが併存しており6)16)17), 治療現場ではそれぞれの治療法の長所短所を考慮して治療選択を行うことが必要となっている. しかしながら動脈瘤の形態によってはどちらかの単一治療法では治療困難な症例が存在する. 広頸で紡錘状の動脈瘤に対しては十分な瘤内コイル塞栓術は困難であるし7)17), 解剖的に到達困難な部位の動脈瘤に対する外科的直達術は新たな神経症状を合併させる危険を伴っている3)9)10). 昨今, 開頭術と血管内治療を補助的に組み合わせることにより単一手技では治療困難な動脈瘤に対しての治療可能性が期待されている1)7)10-12)20). 今回自験例において開頭術と血管内治療とが組み合わされた症例の現状を提示しその可能性を検討した. 「症例と方法」1997年5月から2005年12月までに血管内治療の行われた症例は破裂86例(86瘤), 未破裂99例(112瘤), 合計198瘤であった.
ISSN:0914-5508
1880-4683
DOI:10.2335/scs.36.7