遊びの質を高める保育アセスメントモデルの検討 「子ども向けクラスだより」の取り組みから

本研究の目的は,幼稚園において「遊びの質」を改善するアセスメント法の効果を検討することであった。そのため,「しんぶん」という子どもたち向けのクラスだよりを作成し,アクションリサーチを通じて,子どもたちの行動の変化を分析した。結果として,3つのポイントが明らかになった。第1に,幼稚園の遊びや生活の情報が子どもたちに周知され,特に3歳児はそこから安心感を得ていた。第2に,子どもたちはそれまでの遊びを思い起こしたり,振り返ったりすることで,遊び込むことができていた。「しんぶん」の情報が遊びの新しいアイデアを見つけるきっかけになっていることが示唆された。第3に,「しんぶん」が子ども間の対話を促していた...

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Published in保育学研究 Vol. 56; no. 1; pp. 91 - 102
Main Authors 松本, 博雄, 谷口, 美奈, 西宇, 宏美, 片岡, 元子, 松井, 剛太
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本保育学会 2018
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ISSN1340-9808
2424-1679
DOI10.20617/reccej.56.1_91

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Summary:本研究の目的は,幼稚園において「遊びの質」を改善するアセスメント法の効果を検討することであった。そのため,「しんぶん」という子どもたち向けのクラスだよりを作成し,アクションリサーチを通じて,子どもたちの行動の変化を分析した。結果として,3つのポイントが明らかになった。第1に,幼稚園の遊びや生活の情報が子どもたちに周知され,特に3歳児はそこから安心感を得ていた。第2に,子どもたちはそれまでの遊びを思い起こしたり,振り返ったりすることで,遊び込むことができていた。「しんぶん」の情報が遊びの新しいアイデアを見つけるきっかけになっていることが示唆された。第3に,「しんぶん」が子ども間の対話を促していた。子どもたちは,「しんぶん」を見た後に新しい遊びの場を選択したり,参加したりする傾向にあった。
ISSN:1340-9808
2424-1679
DOI:10.20617/reccej.56.1_91