日本の海洋データ同化研究 20年間の功績と今後の展望

第2 回世界気象機関(WMO)大気・海洋データ同化シンポジウムが東京で開催され,それをきっかけにデータ同化夏の学校が開始されたのは1995年のことである。それから20年あまりの間に,日本における海洋データ同化の研究は,黒潮大蛇行の予測の成功や4次元変分法大気海洋結合データ同化システムの開発など,世界に伍する成果を上げてきた。そして現在では,海況予測等を目的とした海洋データ同化システムが現業的に運用され,そのプロダクト(あるいは,海洋再解析データ)が,海洋・気候研究の他,漁業や防災,沿岸保全に資する情報として,広く提供されるようになっている。本稿では,日本の海洋データ同化研究のこれまでの成果や,...

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Published in海の研究 Vol. 26; no. 2; pp. 15 - 43
Main Authors 豊田, 隆寛, 黒田, 寛, 宮澤, 泰正, 長船, 哲史, 高山, 勝巳, 瀬藤, 聡, 広瀬, 直毅, 望月, 崇, 石川, 洋一, 美山, 透, 広瀬, 成章, 蒲地, 政文, 碓氷, 典久, 藤井, 陽介, 五十嵐, 弘道, 増田, 周平, 干場, 康博, 韓, 修妍
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本海洋学会 15.03.2017
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Summary:第2 回世界気象機関(WMO)大気・海洋データ同化シンポジウムが東京で開催され,それをきっかけにデータ同化夏の学校が開始されたのは1995年のことである。それから20年あまりの間に,日本における海洋データ同化の研究は,黒潮大蛇行の予測の成功や4次元変分法大気海洋結合データ同化システムの開発など,世界に伍する成果を上げてきた。そして現在では,海況予測等を目的とした海洋データ同化システムが現業的に運用され,そのプロダクト(あるいは,海洋再解析データ)が,海洋・気候研究の他,漁業や防災,沿岸保全に資する情報として,広く提供されるようになっている。本稿では,日本の海洋データ同化研究のこれまでの成果や,海洋データ同化プロダクトの現状,現在の課題とそれを解決するための研究について総括し,今後の継続的な発展のために何が必要かについて議論する。
ISSN:0916-8362
2186-3105
DOI:10.5928/kaiyou.26.2_15