亜急性期脳卒中片麻痺者 1 症例に対する腓腹筋への単チャンネル機能的電気刺激を併用した部分免荷式トレッドミルトレーニングの効果 ABA シングルケースデザインによる検討
【目的】亜急性期脳卒中片麻痺者に対する麻痺側腓腹筋への機能的電気刺激(Functional Electronical Stimulation: FES) を併用した部分免荷式トレッドミルトレーニング(Body Weight Supported treadmill training: BWSTT)が歩行速度に及ぼす効果を明らかにすること,ならびに時間・距離因子,筋電図学的変化を継時的に分析し,歩行速度変化の要因についても検討することである。【対象と方法】対象は脳出血後片麻痺を呈した40歳代男性とした。研究デザインは各期10日間の ABA シングルケースデザインを用い,基礎水準期はBWSTTを実施...
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Published in | 東北理学療法学 Vol. 36; pp. 74 - 83 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会
02.09.2024
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Subjects | |
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ISSN | 0915-2180 2189-5686 |
DOI | 10.15049/artsjpta.36.0_74 |
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Summary: | 【目的】亜急性期脳卒中片麻痺者に対する麻痺側腓腹筋への機能的電気刺激(Functional Electronical Stimulation: FES) を併用した部分免荷式トレッドミルトレーニング(Body Weight Supported treadmill training: BWSTT)が歩行速度に及ぼす効果を明らかにすること,ならびに時間・距離因子,筋電図学的変化を継時的に分析し,歩行速度変化の要因についても検討することである。【対象と方法】対象は脳出血後片麻痺を呈した40歳代男性とした。研究デザインは各期10日間の ABA シングルケースデザインを用い,基礎水準期はBWSTTを実施し,操作導入期では腓腹筋への単チャンネル FES を併用した BWSTT を実施した。評価は,10 m 歩行速度,麻痺側,非麻痺側の単脚支持期率,遊脚期率,stride 長,麻痺側内側腓腹筋筋活動とした。【結果】基礎水準期と比べ,操作導入期において,歩行速度が向上した。さらに,麻痺側単脚支持期率,非麻痺側遊脚期率,非麻痺側 stride 長も増加した。また,麻痺側内側腓腹筋活動は,単脚支持期,両脚支持期後半における筋活動量が増加した。【結語】腓腹筋への単チャンネル FES を併用した BWSTT において,歩行速度が向上した。歩行速度の向上には,麻痺側単脚支持期率の増加に伴う非麻痺側 stride 長,歩幅の増加や,単脚支持期と両脚支持期後半における麻痺側腓腹筋の筋活動量の増加が寄与していることが考えられる。 |
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ISSN: | 0915-2180 2189-5686 |
DOI: | 10.15049/artsjpta.36.0_74 |