原木段階における製材品の簡便な強度等級予測手法の開発 京都府産原木からラミナを製造する場合における予測手法の有効性および原木測定コストの検証

原木段階における製材品の簡便な強度等級予測手法の開発を目的として,京都府産原木を対象に推定密度を用いた原木の強度等級判別によるラミナの強度等級予測の有効性を検証した。また,山土場における原木の強度等級判別コストについても検証した。その結果,原木の強度等級判別に推定密度を用いた場合,各強度等級のラミナの出現割合は実測密度を用いた場合と大差なかった。さらに,動的ヤング係数が9GPa以上の原木を選別することでL100のラミナの出現割合が1.6倍になるなど,ラミナ製造における原木段階での強度等級判別の有効性が確認できた。また,強度等級判別コストにより原木の購入単価は上がるものの,強度等級判別した原木を...

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Published in木材学会誌 Vol. 68; no. 3; pp. 124 - 131
Main Authors 岸, 和実, 神代, 圭輔, 明石, 浩和, 足立, 亘, 渕上, 佑樹, 古田, 裕三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本木材学会 25.07.2022
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Summary:原木段階における製材品の簡便な強度等級予測手法の開発を目的として,京都府産原木を対象に推定密度を用いた原木の強度等級判別によるラミナの強度等級予測の有効性を検証した。また,山土場における原木の強度等級判別コストについても検証した。その結果,原木の強度等級判別に推定密度を用いた場合,各強度等級のラミナの出現割合は実測密度を用いた場合と大差なかった。さらに,動的ヤング係数が9GPa以上の原木を選別することでL100のラミナの出現割合が1.6倍になるなど,ラミナ製造における原木段階での強度等級判別の有効性が確認できた。また,強度等級判別コストにより原木の購入単価は上がるものの,強度等級判別した原木を選択的に購入できるため,結果として原木の購入費用は強度等級判別しない場合と比較して約30%削減できた。以上のことから,推定密度を用いた原木の強度等級判別は,実用的かつ効果的な手法であると判断できる。
ISSN:0021-4795
1880-7577
DOI:10.2488/jwrs.68.124